『台湾黑社會』の舞台になっているのは、台北市の萬華地区だ。萬華は中国語であり、台湾語では艋舺(モンガ)という。ここを起点に台湾の発展は始まった。 色と欲を軸に、かつては色街とヤクザが跋扈する場所して知られていたが、日本の歌舞伎町で展開されたような浄化作戦が展開された。特に、2001年に公娼制度が廃止されてからは、売春が違法となり、おとなしい街になった。現在では、華やかさの欠片もないやや寂れた下町というイメージである。もし往時の雰囲気を知りたければ、台湾映画『モンガに散る』を観てみるといいだろう。80年代の萬華で繰り広げられた黒社会の抗争劇に、不良少年たちの青春物語を絡めて描いた作品だ。 旅行者として萬華を訪ねるならば、地下鉄の龍山寺駅が最寄りである。駅前に広がる建物群には茶房やKTVの看板が並んでおり、かつては色街として栄えた痕跡のようなものを感じられる。 「台湾に風俗ってあるの?」 裏台