フランス旅行中に食事どきをまたいで長距離高速列車に乗ると、どこか損をした気分になります。空腹を満たすために駅構内で買った、どこにでもあるような乾燥気味のサンドイッチに、その日の一食を費やさないといけない。その行為に、もったいなさを感じるからです。 食堂車とサンドイッチの間を埋める選択肢が列車旅にあれば良いのに……。そのフランスで「Ekiben(駅弁)」という言葉が、少しずつですがパリ市内のターミナル「リヨン駅」を起点に浸透しつつあります。 ▲パリ市内のリヨン駅 きっかけを作っているのが、秋田県大館市に本社を構える、鶏めし弁当で有名な「花善」です。 ▲リヨン駅構内に出店した花善 花善はリヨン駅で過去2回、駅弁のポップアップ店舗を展開(1回目の2018年は駅弁数社が合同出店、2021年からの2回目は花善の単独出店)。駅の利用客に「駅弁」というものを紹介してきました。 駅弁の海外進出に必須の土壌