【球跡巡り・第25回】沢村栄治が投げベーブ・ルースが打った日米野球の舞台 宇都宮常設球場 栃木県宇都宮市の郊外にある市立宮の原小学校。今年創立50周年を迎えた同小学校の正門脇に、直径35センチの大谷石(おおやいし)製の野球ボールが乗った顕彰碑が建てられています。かつてこの地には日米野球も行われた「宇都宮常設球場」がありました。 「隣の群馬には野球場がある。栃木にも負けないものを造ろう」。宇都宮野球協会会長の小野春吉さんが仲間に呼びかけ、多額の借金をして球場を完成させたのは1932年。内外野のフェンスはもちろん、収容人員2万人を誇ったスタンドも宇都宮特産の大谷石で造られ、当時としては全国屈指の野球場でした。 小野さんが目を細め、球場がにぎわったのは完成2年後の1934年。ベーブ・ルース、ルー・ゲーリック、ジミー・フォックスらのホームラン王を擁し、「史上最強」と言われた全米打撃陣と、沢村栄治(