本稿は野蛮な動機によって書かれている。 1、 『小名浜竜宮』への不満 カオス*ラウンジによる新芸術祭『地獄の門』『小名浜竜宮』を観覧してきた。以下に書くのは、そのレビューである。 とはいえ、本展覧会(正確にはパープルームによる『X会とパープルーム』を含む大型グループ展)は非常に大規模な展示ゆえ、その全てをカバーすることは難しい。ここで書くのは筆者の関心に基づく簡単な概略であり、それを元手にした批評であることを付記しておく。 本展はカオス*ラウンジによる新芸術祭シリーズの第二弾にあたる。同シリーズは、カオス*ラウンジが年一回行う、福島県内でグループ展を指す。昨年の第1弾『怒りの日』はいわき市のみを舞台にしていたものが、今回は小名浜市を含めた、都市を横断する「市街劇」となっている。 いわきでは前回同様に3箇所の会場を、小名浜では5箇所(非展示会場の「チェックポイント」を含めれば10箇所)の指定