古代ギリシャの時代から、理想的な対象としてのイデアが哲学や数学において追求をされてきました。それは理性(ロゴス)を生み育て、歴史の中で古びた宗教的価値観を更新する力も人々に与えました。理性に基づいた科学の進展により、昔は想像さえできなかった新しい自然像が、現代では明らかになってきています。古代や中世の人々が信じていたイデアは、当時の人間が狭い範囲で経験をしたことの理想化として、その意識の中に芽生えたものです。しかし多くの新しい経験や科学的事実に触れている現代人にとって、そのイデアや形而上学もアップデートされるべきではないかと、個人的に考えています。 ここでの「イデア」とは、太古の哲学者が言うような「人間の認識に先んじて、理想界に実在するもの」ではなく、そのイデアの存在自体も含めて人間が生み出したものという見方に基づいています。例えば水や他の流体を見て、それらに共通する連続流体のイデアを人間