ボブ・スタインから連絡が入り、急遽 “BookServer” プロジェクトの中心メンバー、ピーター・ブラントリー(Peter Brantley)と面談する機会ができた。さっそく渡米し、サンフランシスコの金門橋の近く、最近ニューチャイナタウンと呼ばれるようになった一角にある、インターネット・アーカイブを訪ねた。 彼らの本拠は、元教会だという大きな白亜の建物だった。もとから神殿風建物をデザインしたロゴをトレードマークとして使っていたのだが、偶然なのか意図したのか、まさに太い円柱を備えた建造物が彼らにもたらされていた。その週のはじめに引っ越したばかりだといい、すべてがまだ雑然とした状況だった。 出てきたのはピーター・ブラントリーではなく、ブルースター・ケール(Brewster Kahle)だった。「親方」自身の登場で少々ビックリした。「新しい仕事場でのはじめての取材だよ、まだ何も準備できていない