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ブックマーク / honz.jp (12)

  • 『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』書けなくなった批評家を救ったもの - HONZ

    ひさしぶりに会った知人の変貌ぶりにショックを受けることがある。書を書店で見かけた時の驚きもそれに近い。表紙の男性と著者名が一瞬つながらず、人だと気づいて衝撃を受けた。別人のように痩せている。それも何か大病を患ったことをうかがわせるような痩せ方ではないか。 90年代からゼロ年代を通じた福田和也の活躍ぶりは、まさに「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉がぴったりだった。「月300枚書く」と人が言っていたように、文芸評論や時事評論、エッセイ、コラムを書きまくり、ワイドショーのレギュラーコメンテーターを務め、文芸誌『en-taxi』を編集し、母校である慶應大学の教壇にも立った。当時、夜の街でもしばしば著者を見かけた。バリバリ仕事をしつつ遊びもこなす姿が眩しかった。 著者を知ったのは学生時代のことだ。江藤淳に才能を見出されたというふれこみで、雑誌『諸君!』でいきなり連載が始まった。破格の扱いだった。

    『保守とは横丁の蕎麦屋を守ることである』書けなくなった批評家を救ったもの - HONZ
    EoH-GS
    EoH-GS 2023/05/07
    そういえば最近見なかった
  • 『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる 』カウンターカルチャーへの愛憎相半ばする複雑な気持ち - HONZ

    反体制はカネになる。ん、どういうことだ?、違和感があると同時に居心地が悪い。だって、反体制の人たちはおカネよりも大切なもの、例えば、自然とか文化とか、コミュニティとか、スタイルとか色々とあるから。儲かることや経済とは一線を画して、独自路線を進んでいるのであって、おカネや儲かるという言葉とは縁遠いはずだ。 だけど、読み終えると、そんなやわな考えは吹き飛んでしまう。反体制が儲かることに納得せざるをえない。オーガニック品、カウンターカルチャー、スローフード、反グローバリズムなどのオルタナティブな活動がどのように経済的に成立しているのか、豊かな生活を発信することを可能にしているのか、その舞台裏を覗きにいくようなものだ。喉の奥に長年刺さっていた魚の小骨がぽろっととれたような、すっきりとした読後感がある。 なぜ反体制とカネがつながるのか、スケートボートを事例に筋道を踏んでいく。2021年の東京オリン

    『反逆の神話〔新版〕: 「反体制」はカネになる 』カウンターカルチャーへの愛憎相半ばする複雑な気持ち - HONZ
    EoH-GS
    EoH-GS 2021/12/20
    それ、反体制とは違うよね?と思ってググったら、2014年に同じ題名に「カウンターカルチャーはいかにして消費文化になったか」という副題で出た単行本の文庫化。曲学阿世、恥ずかしくないのかね?早川は。
  • 『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか?  - HONZ

    『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか? 動物が人間を襲った事例でよく知られているのは、大正4(1915)年に北海道三毛別で起きたヒグマ襲撃事件だろう。これは8人が犠牲になった悲劇として語り継がれるが、それとほぼ同じ頃、ネパールとインドの国境地帯で人々を恐怖に陥れていた動物がいた。それが、チャンパーワットの人喰い虎――436人を殺害したとされる雌のベンガルトラである。 書はそのベンガルトラの足跡を追い、ジム・コーベットという伝説のハンターとの対決を描いた記録である。また、トラが人喰いへと追いやられていった背景を丹念に検証した、社会派ノンフィクションの顔も併せもっている。 だが、436人という数は、にわかには信じ難い。なぜこれほどの犠牲者を生んだのかという疑問はひとまず置いて、まず、トラという動物について少し学んでおこう。 トラ

    『史上最恐の人喰い虎――436人を殺害したベンガルトラと伝説のハンター』悲しき猛獣は、なぜ生まれたか?  - HONZ
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    EoH-GS 2019/10/03
    従えていた倀鬼も多かろう
  • 『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ

    意表を突かれた。企画も内容も構成も、見事という他ないだ。毎年、終戦の日にむけて様々なが出版されるが、とりわけ異彩を放つである。書を手にしてはじめて私は、「開戦を人々がどう受け止めたのか」という個々の情報が、ごっそり抜けおちていたことに気づいた。 ものすごく解放感がありました。パーッと天地が開けたほどの解放感でした。 (書11頁、吉隆明、原典:三交社『吉隆明が語る戦後55年・5』) 僕の命も捧げねばならぬ。一歩たりとも、敵をわが国土に入れてはならぬ。 (書45頁、坂口安吾、原典:筑摩書房「真珠」『坂口安吾全集03』) 書は、太平洋戦争勃発時の知識人・著名人の反応を日記や回想録から抜き出した、アンソロジーである。さぞかし重苦しい空気なのかと思いきや、むしろその逆だった。戦争を歓迎する言葉が多いのである。知識人にして、そうなのだ。「一般人は?」と考えずにはいられなかった。 その

    『朝、目覚めると、戦争が始まっていました』 未来を知らない十二月八日の言葉 - HONZ
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    EoH-GS 2018/08/10
    日中戦争無視されすぎ問題。「米英をやっつけるならば僕も賛成だ」と岩波茂雄も喜んだ口(日中戦争には反対)というところにこの時代の雰囲気があるよね。
  • 『ロマンで古代史は読み解けない』科学者が古代史を研究するとこうなった! - HONZ

    古代史=神話というイメージが拭えない。確かにロマンあふれる物語だが、真実ではないだろう。だが日には『古事記』や『日書紀』という過去の偉人たちが積み上げてきた第一級の資料が残されている。 ならば徹底的に科学で解明しようというのが書の狙いである。著者は大学共同利用機関法人自然科学研究機構の科学者だ。坂は「生理学研究所」でヒトの脳機能を、共著者の渡辺英治は「基礎生物学研究所」で動物の心理を研究している。歴史マニア同士が愛知県岡崎市にある研究所で偶然出会ったことからこのは始まった。 ふたりが最も大切にしたこと、それは彼らが育った科学の世界の価値観だ。科学に求められるのは「再現性」。だが歴史的事実にそれを求めるのは不可能だ。ならば頼りしたのは何か。 まずは地名や建造物などの「モノ」。遺跡などの位置情報や正確な形はインターネットで簡単に手に入る。 次は「ヒト」。古代の人々の心も現代人とはそう

    『ロマンで古代史は読み解けない』科学者が古代史を研究するとこうなった! - HONZ
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    EoH-GS 2018/06/17
    説明聞いてるだけだと安本美典の二番煎じっぽい感じがしてしまうんだけど。
  • 『箸はすごい』身近すぎて知られていない二本の魅力 - HONZ

    14億人もの人が箸をつかっている。しかも、ほぼ毎日である。一度ではない、2、3回は使う。ここまで頻繁に利用する道具はそう多くはない。 だいたい物心がつく前後から箸に慣れ親しみはじめるが、主に教わるのは正しい箸の持ち方としつけである。矯正用の箸を使って、持ち方を叩き込まれる。「指し箸」「迷い箸」「刺し箸」などやってはいけないマナーを厳しく教えこまれる。 そうした厳しい訓練をへて、2の棒を自由自在に操り、卓を楽しむことができるようになる。ご飯を下から救い上げで口に運び、つるつるした小さな豆をつまみ、熱い具材を箸の上に載せてふーふーするなど、自由自在に箸を使いこなしていく。しかし、手の延長として日常に浸透し、こなれた箸さばきを身につけた後は、箸そのものへに意識を向け、好奇心を持つことはあまりない、というかほとんどない。少なくとも、私にとってはそうだった。 世界の文化は手派、フォーク・ナイ

    『箸はすごい』身近すぎて知られていない二本の魅力 - HONZ
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    【ネットマンガラボ】2018年9月「紙とWebの二刀流!新世代マ... 2018年09月21日 2018年9月20日(木)、マンガ新聞運営サロン「ネットマンガラボ」イベント『「紙とWebの二刀流!新世代マンガ家」山科ティナ×堀江貴文対談』が開催されました。イベント前半はホリエモンチャンネルと...

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    EoH-GS 2015/12/21
    ホットプレートとかフライパンだと風味が落ちるに決まってるから、炉端大将とか魚焼くコンロ用の網で比較してほしい
  • 連続殺人犯は遺伝するか『暴力の解剖学』 - HONZ

    では馴染みがないが、神経犯罪学=neurocriminologyという分野がある。犯罪の原因には社会環境的な要因だけでなく、生物学的要因が密接に関わっているのではないかという見地から、遺伝的要因、胎児期・周産期の影響、外傷を含む後天的脳障害、自律神経系の異常、栄養不良や金属などの脳への影響などを研究する学問だ。 一般に凶悪な犯罪が起こった場合、虐待などを含む家庭環境や、貧困などの社会的環境を調べ、それを要因のひとつとする場合が多い。とりわけ裁判では情状酌量の証拠として提出されるものだ。たしかに、それによって社会的な環境が整備され、より良い社会を作ることはできる。 しかし、それは咳をして熱があるから風邪だと断定し、対症療法として解熱剤などを処方することに等しい。来は風邪のウイルスを特定し、そのウイルスが体内でどのように作用しているかを知ることで、根的な治療をするべきなのだ。(風邪ウィ

    連続殺人犯は遺伝するか『暴力の解剖学』 - HONZ
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    EoH-GS 2015/09/21
    文章から評者のかなり偏った思考が読み取れるので話半分で。
  • 『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ

    “耳鼻削ぎ”とは穏やかではない。というか、野蛮。現代人はそう感じるだろう。日歴史上で耳や鼻を削ぐといえば、戦国時代の話かな。敵の首をいくつとったか戦功を証明するのに、首だと持って帰るには重いから耳。いや耳だと左右二つ削いで数をごまかせるので鼻になったんだっけ。いやはや、戦国時代は血腥い…。 著者は日各地の“耳塚”“鼻塚”を訪ね歩き調査する。無惨に討たれた武士たちの耳や鼻が何百と葬られたというのなら、さぞや怨念が染み付いているだろう、怨霊話もあるだろう。耳や鼻を削ぐという行為の意味もみえてくるだろう、と思いきや。 なぜかどこへいっても「耳の神様が耳の聞こえをよくしてくださるところ」という話ばかりだったのだという。 私は日中の耳塚・鼻塚を訪ねてまわり〜(中略)けっきょくのところ、どこの耳塚・鼻塚からも不気味な怨霊譚が聞かれることはなかった。それどころか〜(中略)土地の人から愛され、ご利

    『耳鼻削ぎの日本史』”やさしさ”から”見せしめ”まで - HONZ
    EoH-GS
    EoH-GS 2015/06/29
    秀吉の朝鮮侵略まで「朝鮮出兵」とか「昨今様々な意見がある」「現代の倫理的価値観で侵略行為と決めつけることに対する異議」とか書きたくなってしまう心理は興味深い。
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

    マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー
    EoH-GS
    EoH-GS 2014/06/12
    読んでて出てくる人たちの革命的主張のマッチョさに閉口しちゃうしイラつく。なんか読みにくくて連載読めてないから、連載終わったら読んでみるか。極性化みたいな言葉で在特会とかと並べるのは違うと思う。
  • マンガ新聞 - 漫画の記事・無料連載・新刊情報・おすすめ漫画レビュー

    『腸よ鼻よ』11指腸 2018年09月29日 澄み渡る青い空と透き通るような海、白い砂浜のある南の島――沖縄。 この島に生まれ、蝶よ花よと育てられた1人の少女がいた。 彼女の名は島袋全優。 漫画家を志し、いずれは大都会東京での タワーマ...

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    EoH-GS 2014/05/31
    これはオススメです。
  • 『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ

    1995年、東京都国分寺市で長さ340mの幅12mの道路が発掘された。造られた時代は約1300年前の飛鳥時代。そして驚くべきことに、この巨大道路は寸分の狂いもなく一直線に造られていたのである。 その後の調査の結果、現在では、7世紀ごろには日中を張り巡らす巨大道路網が建設されていたことが判明している。東北から九州までの長さ約6300kmもの距離を、最大幅30mで敷設するというまさに巨大道路だ。田中角栄議員立法により実行された1966年の高速道路計画は6500kmであるから、それと同じ規模の距離をより幅広で建設していたことになる。 いったい誰がいつ何のためにそんな巨大プロジェクトを遂行したのか。驚くべきことに、これほど巨大プロジェクトにも関わらず、実はこの国家的規模の大規模事業がなされた理由はまだ正確に分かっていない。文献史料には何も記されていないのである。書はそんな「謎の巨大国家プロジェ

    『古代道路の謎』新刊超速レビュー - HONZ
    EoH-GS
    EoH-GS 2013/04/08
    70年代頃からある分野。歴史地理学のわりかし盛り上がってた分野だったような記憶が。id:nagaichi隋唐の計画道路の影響がかなりみられるようです(駅制などの交通制度にも)。
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