先に開かれたジョー・バイデン大統領と岸田文雄首相の首脳会談で、円安が話題にさえ上らないであろうことは、世界の混乱状態について多くを物語っている。 ここ数年、日本の近隣窮乏化政策(自国の経済問題を、貿易相手国に損失を押し付けるかたちで回復を図ろうとする経済政策)は、喫緊の議題になるはずだった。しかし、中国の軍事的台頭、ガザから紅海までの情勢、ドナルド・トランプが大統領に返り咲く可能性に対する懸念のせいで、為替レートのダイナミクスを話しあう地政学上の余地はほとんどない。 だが、バイデン政権の米財務省はもうそろそろ、円の慢性的な歪みが持つ影響について、経済的な現実に照らしつつ、もっとよく考えてみるべきだろう。とりわけ重要なのは、中国に対して、日本との「底辺への競争」に突入する動機を与えていることだ。 実際、米国の同盟国である日本が、あれほど堂々と輸出刺激策をとっているときに、中国の習近平国家主席
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