マイナンバーカード(個人番号カード)の交付に使う「カード管理システム」の障害について、システムを運営している地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は2016年4月27日、障害原因を特定したと公表した。 公表内容によると、2016年1月にカード管理システム内の「住基ネット中継サーバー」内の障害によって、市区町村の統合端末から接続できない状態が起きた原因は2つある(図1)。
マイナンバーカード(個人番号カード)の交付に使う「カード管理システム」の障害について、システムを運営している地方公共団体情報システム機構(J-LIS)は2016年4月27日、障害原因を特定したと公表した。 公表内容によると、2016年1月にカード管理システム内の「住基ネット中継サーバー」内の障害によって、市区町村の統合端末から接続できない状態が起きた原因は2つある(図1)。
「エンタープライズ系?SIerの方とかですよね。全く接点はないです」。生活のHowTo投稿サイト「nanapi」を運営するnanapiの和田修一Co-Founder 取締役 執行役員 CTOはごく普通のことのようにこう語る。 和田CTOは32歳。新卒で楽天に入社してインフラを担当。2009年に退職してnanapiのCTO(最高技術責任者)に就任した。今でこそマネジメントの仕事が増えてきたため機会が減ったが、最近までは、企業の枠を超えた勉強会に参加して、人脈を広げていた。それでも、話をするのはほとんどネット系の技術者。エンタープライズ系の技術者と交わる機会はなかったという。 一般に、エンタープライズ系とネット系の技術者は交流する機会が少ない。ITproの読者で技術職の方は、エンタープライズ系が多いだろう。ネット系技術者との交流は少ないのではないか。 ここでいうエンタープライズ系技術者とは、会
プログラミング言語、「Go」の存在感が増している。Goは、2009年に米グーグルが発表し、オープンソースとして公開した言語(画面1)。動的型付け言語の高い生産性と、C/C++のような静的型付けを持つコンパイラ型言語の安全性/性能の両立を目的に開発された(関連記事:GoogleがUNIX作者らが開発した新言語「Go」をオープンソースとして公開)。 文法自体はCに似ているが、オブジェクト指向の考え方を採り入れ、ガベージコレクションの仕組みも備える。メモリーの確保や解放をプログラマーが明示的に行う必要がない。並列処理を標準でサポートしているのも特徴だ。 Go言語はグーグル自身がソフトウエア開発の一部で用いているほか、他社による採用事例も増えている。例えば米ドロップボックスは2014年7月、Go言語の採用を表明した。国内でも、はてなやメルカリ、Gunosyなどが、サービス開発の一部にGo言語を採用
「ずいぶん前に使っていたと,先輩から聞いたことがある」「今はUMLがあるからそんな手法はいらないのでは」――。開発現場で最近,DOA(Data Oriented Approach)についてこんな声を耳にする。確かに,システムの部品化が進んでSOA(Service Oriented Architecture)に注目が集まり,UMLやBPMN(Business Process Modeling Notation)を用いたモデリング手法が広がりを見せている。 しかし,従来から変わっていないことがある。それはすべてのシステムは必ず「データ」を扱うことだ。システムが大きくなればなるほど,扱うデータも多くなる。ここで機能を中心に考えていると,データの漏れや不整合の発生を招き,システム全体を見渡すのが難しくなる。だから筆者は,データの流れの把握と分析に着目したDOAにこだわる。以下では,筆者が実践するD
最盛期の開発要員6000人,開発工数11万人月,投資額2500億円,取引件数1日1億件。三菱東京UFJ銀行が「Day2」と呼ぶ,勘定系システム一本化プロジェクトの成果物である。6000人のシステムズエンジニア(SE)が作り上げた巨大システムは,2008年5月の連休明けに必ず動くはずだ。 23年間にわたって情報システム開発プロジェクトの取材を続けているが,6000人のSEを集めた事例は過去に一度も見聞きしたことがない。世界を見渡してもおそらく例がないはずだ。これから何年間,記者を続けるのか分からないが,今回の三菱東京UFJ銀行を除けば,6000人を動員するプロジェクトを取材する機会は二度とないだろう。 6000人のSEが同時期に集まったのであって,「6000人月」ではない。開発工数は先に書いた通り,11万人月である。この数字も凄い。一体何を作ったのかと思ってしまう。正確にはこのSEパワーは開
多重下請けや法令無視といった慣行が染み付いた日本のIT業界。 ここに「2015年問題」というIT技術者不足とその後の人余りが襲い掛かる。 この問題を、むしろ絶好の機会としてとらえ、悪弊の連鎖を断ち切る覚悟がユーザー企業にもIT企業にも求められている。 「北海道から九州まで、受託案件が増えているのは間違いない」。中小IT企業とIT受託案件のマッチングを図る日本情報技術取引所(JIET)の役員はこう語る。 IT業界、特に企業向け情報システムのシステムインテグレーション(SI)を手掛けるIT受託の業界が今、好況に沸いている。リーマンショックや東日本大震災で凍結していたプロジェクトが再始動し、幅広い業界でIT投資が増えているのだ。「PHPやJavaプログラマーへの引き合いが強い。Day2(2008年までに2500億円を投じた、三菱東京UFJ銀行の勘定系システム統合プロジェクト)の頃よりIT技術者の
多重下請けは、必要悪ですよ―― 日経コンピュータ2014年2月6日号の特集「悪弊を断つ」の取材を通じ、技術者や経営者の方々から何度も聞いた言葉だ。 大手SIer(システムインテグレーター)が請け負った仕事を、2次請け、3次請け、4次請けと下ろしていくピラミッド構造。先月に木村編集委員が当コーナーで触れたように(関連記事:「SIガラパゴス」を育んだIT部門の罪)、多重下請け制はIT技術者を幸せにしない国内IT業界の悪弊として、長らく非難の的になってきた。 とはいえ、解雇規制が厳しい日本において「多重下請けは必要悪」という指摘が、一面の真理を突いている事も、記者として認めざるを得ない。 大規模なシステム開発プロジェクトを立ち上げる際、必要なスキルセットを備えるIT技術者を素早く、大量に調達する仕組みとして、全国に張り巡らされた多重下請けネットワークは恐ろしく効率が良い。今回、取材した大規模プロ
IT業界にいたのは10年ほどです。最初は金融系のSIer(システムインテグレータ)に就職しました。ある金融機関のメインフレーム保守担当として、COBOLのプログラムを書いていました。 ただ、その顧客企業に特有の業務にばかり詳しくなってしまい、「技術者としてつぶしがきかなくなる」と感じたため、2~3年後に第2新卒でベンチャー企業に転職したんです。 その後は、外資系IT企業などいくつかの企業を転々としました。その間に、UNIXやLinuxなどのITインフラ、データベース、ネットワーク、アプリケーション開発など広範に体験させてもらいまいた。その後、いつのまにかラノベ作家になっていました。 いやいやいや、いつのまにかということはないでしょう。どのようなきっかけで作家に転向したんでしょうか。 実は、勤めていた外資系企業が、円高などの環境変化で受注が減り、社内で仕事がなくなってしまいまして……。時間が
日本のIT産業は、世界に類を見ないユニークなエコシステム(生態系)をつくり上げた。大手SIerを頂点とする多重下請け構造のピラミッドから成るITサービス業のことだ。日本だけで独自進化し一大産業として繁栄した。私はこれを「SIガラパゴス」と呼ぶ(関連記事:日本だけ!「SIガラパゴス」に明日はあるか)。 極めて便利な存在であるため、ユーザー企業はこの生態系を育んだ。その結果、日本企業のIT活用は今や欧米企業に比べ周回遅れで、新興国の企業にも追い抜かれようとしている。 米国のITベンダーの日本法人社長は、本社の幹部から「なぜ日本にはITサービス会社があんなにたくさんあるのか」とよく聞かれるそうだ。米国にもアクセンチュアやEDSのような企業は存在するが、数は限られているからだ。そして回答に苦慮する。 「日本のユーザー企業は独自仕様のシステムを作りたがるのに、その開発を外部委託することが多いから」。
新日鉄住金は2013年10月16日、日本IBMと共同出資するアイエス情報システム(aies)を、2017年4月1日をめどに新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)と統合させると発表した。 aiesの出資比率は日本IBMが51%、新日鉄住金が49%。現在は主に旧住友金属工業関連のシステム開発と運用を担当しており、この業務を順次、NSSOLが引き継いでいく。2017年4月1日をめどに、新日鉄住金と日本IBMが保有するaiesの全株式をNSSOLが譲り受けて統合する。 新日鉄住金は2014年4月に人事や会計などの管理システムを、2016年度までに営業などの基幹システムを、それぞれ本格稼働させる計画。システム子会社をNSSOLに集約することで、開発・運用体制を強化する。
米Twilio Co-founder and CEOのJeff Lawson氏(右)、KDDIウェブコミュニケーションズ SMB事業本部 Twilio事業部 ゼネラルマネージャーの小出範幸氏(左) 私のバックグラウンドを話すと、Twilioを起業する前にもソフトウエアに関する企業を3社設立しており、米Amazon Web Services(AWS)のプロダクトマネージャーも務めていた。AWSを離職したとき、ソフトウエアでよりよいコミュニケーションを実現したいということを考えており、そこを何とかしようと思ったのがTwilioを立ち上げたきっかけだった。 AWSはインフラをサービスとして事業展開している。我々は電話の機能をサービスとして展開していくという考えから、開発者に対してAPIを提供し、従量課金で使ってもらえるようにしている。実際、TwilioはAWS上でも動いている。AWSのグローバル
日本Rubyの会 理事でRubyKaigi 2013 運営チーム代表を務める角谷信太郎氏。勤務先である永和システムマネジメントでも、Ruby事業を提案し実現させてきた。「Rubyの仕事は楽しい、楽しいと思えることを仕事としてできる」と語る。 20世紀末にオブジェクト指向を勉強したくてperlやjavaを書いていたんですけど、理解できなかった。そんなあるときに、rubyを見つけたんですね。irbでRubyオブジェクトを触ってオブジェクト指向を初めて理解できた。「これはすごい。プログラミングが楽しい」と衝撃を受けました。その後は、仕事でも自分の作業にはrubyを使っていましたが、当時はお客さまへの納品物にはなかなか含められませんでした。 私は卜部昌平さんがWeb日記で毎年のように北米のRubyカンファレンスの観戦記を書いているのを楽しみにしていて、2005年の秋に、いよいよ日本でもRubyのカ
アジャイル開発が盛んな米国に対して、日本では依然としてウォーターフォールモデルによる開発が大半だといわれている。実際に、日本はアジャイルの取り組みが米国のほか英国、ブラジルなどと比べても遅れを取っていることが調査結果からも明らかになった。 情報処理推進機構(IPA)が2012年6月に公開した「非ウォーターフォール型開発の普及要因と適用領域の拡大に関する調査」によると、米国や英国では非ウォーターフォール型開発の普及度が高く、逆に日本や中国では低い(図1)。ここで、非ウォーターフォール型開発とはアジャイル開発など、短いサイクルで反復的に開発を進める手法のことである。 アジャイル開発の普及が進まないと、激しさを増す市場や社会環境の変化に日本のITが対応しにくくなる恐れがある。IPAの柏木雅之氏(技術本部 ソフトウェア・エンジニアリング・センター エンタプライズ系プロジェクト 研究員)は、「アジャ
みずほ銀行が次期システムの開発をマルチベンダー体制で進めることが日経コンピュータの取材で判明した。富士通、日立製作所、日本IBM、NTTデータの4社に分割発注する。ハードウエアの調達とアプリケーションの開発を分離し、さらに預金や融資といった機能ごとに開発委託先を変える。大手4社に発注を分散させることで、総額4000億円を超えるとみられる大規模プロジェクトにおける技術者確保などに万全を期す。 委託内容と発注先との関係は次のとおりだ(図)。勘定系システムの中核をなす「流動性預金」のアプリケーション開発は、富士通に委託する。富士通はみずほ銀が現在使っている勘定系システム「STEPS」の開発元である。 流動性預金のアプリケーションの動作プラットフォームには、日本IBM製メインフレームを使う。みずほ銀は「CIF(カスタマー・インフォメーション・ファイル)」や「処理フロー制御」など、各アプリケーション
ファンはしばしば思い込む。アイドルのコンサートに行き、「彼が私に手を振ってくれた」と感動する。ソーシャルネットワークに書き込んだ短文に呼応するかのような一節を愛読している作家のブログで見つけ、「返事を書いてくれた」と感激する。 同様の体験を先日した。愛読しているライトノベル『なれる!SE』シリーズの第7巻を書店で手に取ったところ、表紙カバーに「目からウロコの?客先常駐術」と刷ってあった。それを見て、作者の夏海公司氏がファンである筆者の希望をかなえてくれたことが分かった。 ITproの「記者の眼」欄で2012年5月21日に公開した拙文『「萌えるSE」と「燃える営業」、永遠の闘い』に次のように書いた。 最後に愛読者として希望を述べたい。SEを冠したシリーズである以上、どこかで業務アプリケーション開発の話を正面から取り上げてほしい。これまでの6冊はバックアップセンターの構築やネットワーク運用の話
前回に続き、当たり前のようにITを使いこなす「スマホ世代」の若者を紹介する。その高いITスキルや行動力は、大人の想像を超える。 高校よりネット企業で勉強 福森 匠大(15) 2012年3月に中学を卒業した福森匠大は、高校に進学しなかった。代わりに選んだのは、オンラインレシピサービスのクックパッドでのアルバイト。宇都宮からオフィスがある東京・白金まで2時間かけて週3回通い、エンジニアとして働いている。 福森はその理由を「高校に通うよりも勉強になるから」と話す。「趣味でプログラムを書くのと業務としてやるのでは、やはり違う。学ぶことはたくさんある。今はコードの書き方などを社員から色々教えてもらえる」。高校には行かないが、高等学校卒業程度認定試験を取得して大学へ進学するつもりだ。 福森が気に入っているのは、サービスの新規開発ではなく、開発者を支援するツールづくりなど裏方の仕事。「皆が気持ちよく開発
保守上の課題を抱える「レガシーシステム」が多くの企業を苦しめている。日経BPコンサルティングが実施した調査では、回答者が所属する企業の8割超がレガシーシステムを所有していた。ここ10年ほどの間にオープン系サーバー上に構築したシステムがレガシー化している実態も明らかになった。レガシー問題に関する最新の調査結果を紹介する。 保守上の課題を抱え、維持コストがかさむ「レガシーシステム」の扱いは、ユーザー企業にとって長年の課題。西暦2000年問題を前に再構築したシステムが、ここ1~2年で“寿命”を迎えることもあり、多くのシステム担当者を悩ましてきた。 リーマン・ショック後から続くコスト削減要求を乗り切る上でも、レガシーシステムの維持コストは頭が痛い。ビジネスを取り巻く環境が急速に変わるなか、経営が求めるスピードを実現したくてもレガシーシステムが重しになることも多々ある。レガシーシステムのアプリケーシ
先日、興味深い調査を見つけました。ビジネスメールで「失敗」だと感じたことと「不快感」を感じたことについての調査(「ビジネスメール実態調査2010」)で、メールの送り手として「失敗」だと感じたことは『添付ファイルのつけ忘れ』が最多、次が『誤字や脱字』でした。翻って、受け手として「不快感」を感じたこととしては、『言葉遣い』『内容のわかりにくさ』が最多でした。つまり、自分では「言葉遣い」「内容のわかりにくさ」を「失敗」と自覚していない、ということでしょう。 今回紹介する文章のテクニックは、使わないと相手に「不快感」を感じさせてしまうものです。これをマスターすると印象が良くなりますから、ぜひ覚えておきましょう。 どこが問題? 大島様 お疲れ様です。八橋です。 昨日のお話の件ですが、どなたかにお願いできないでしょうか。 今月中はP社システムの件で多忙のため他に手が回らない状況なのです。 山下部長にご
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