内 容 聖書には、彼女がどのように生を終えたかについての記述がない。しかし、マリア崇敬の高まりとともに、外典や伝承などにもとづき晩年伝の多様な図像が生み出されてきた。地中海圏の聖堂壁画からチマブーエやドゥッチョ、ジョットらの作品までをその背景とともに跡づけ、知られざる聖母の美術史をよみがえらせる。 試し読み(序章) 【ALL REVIEWS】自著紹介 目 次 序 章 はじめに 1 本書のアプローチと構成 2 聖母の晩年についての関心の芽生え 第Ⅰ部 図像の生成と地中海圏 —— 5世紀から13世紀まで 第1章 聖母の晩年にまつわる最初期の作例群 1 イコノクラスム以前の作例 2 イコノクラスム以後 ——「キミシス」の登場と普及 3 イコノクラスム前後の「聖母のお眠り」図像 4 現存最古の聖母晩年伝壁画 —— ローマ、フォルトゥーナ・ヴィリーレ神殿 結 び 第2章 聖母晩年伝表象に対する躊躇と