政府が首都圏の1都3県と北海道の緊急事態宣言を継続すると決めた5月21日。首相の安倍晋三(65)はこの5都道県についても、4日後に解除の可否を判断する考えを表明した。 政府専門家会議のメンバーは安倍の発言に驚いた。政府から「1週間後の28日に判断する」と伝えられていたからだ。毎日のように政権幹部らと意見交換していた副座長の尾身茂(71)でさえ、判断の前倒しを知ったのは直前だった。 尾身は、経済再生担当相の西村康稔(57)に「前倒しするなら国民に説明する必要がある」と強い懸念を伝える。だが、政府側の意思は固かった。「(新規感染者の少なさは)いい数字が出ている。経済を考慮すれば一日でも早く解除したほうがいい」。政府高官は22日にこう話した。