オホーツク海沿岸に着く流氷を訪ね、多くの観光客が足を運ぶ北海道紋別市。今年の冬、港の近くにある市教育委員会の教育長室に、職員が決裁を求めて持ち込んだのは、事業の失敗を伝える報告書だった。 「多くの自治体が直面する課題に」 <部活動に対する基本的姿勢に大きな隔たりがあり、議会を巻き込む地方政治の問題に発展した> 堀籠康行教育長(57)は書き直しは求めず、中学校の部活改革が市議会を巻き込む騒動になり、頓挫したことをあえて記録に残した。報告書は道教委を通じてスポーツ庁に提出された。堀籠氏は取材に対し「これこそが多くの自治体が直面する課題になるんだとの思いがあった」と力説した。 「全国各地域において地域移行の実践研究を実施する」。2021年1月、スポーツ庁と文化庁がこんなうたい文句で事業の公募を始めたとき、紋別市教委は率先して名乗りを上げた。 事業は、23年度から公立中学で休日の部活指導を地域の人