渋谷にて。悪の組織に娘を誘拐されたお父さんが、フランスで大暴れする。いい映画でした。このお父さんの前半における枯れぐあいと、アクションシーンでのいきいきした感じの対比なんかはとてもよかった。 原題は『Taken』という、わりとそっけないものでしたが(『捕られた』)、『96時間』はそれなりに映画の内容を伝えているので、わるくない邦題だとおもいました。 映画のしかけとして、冒頭から事件発生より前の父親には、あまり共感できないようになっている。いくら娘がかわいいからといって、仕事を辞めて、17歳の娘のまわりをうろうろしているって、それは親としてどうなんだ。こんなお父さんがいては息苦しいし、子どもの性格も曲がってしまう。もっと働くなり、自分の生活を充実させるなりしないと、家族にだって尊敬してもらえないのではないか。 しかし、このお父さんの、娘に対する愛情は、まるでマグマのように噴出する過剰さ、理不