伝統を取り戻すために コククジラは毎冬、夏のあいだに餌場としているアラスカから、出産のためにメキシコのバハ・カリフォルニア半島へと約6000マイルの旅を始める。 そんなコククジラをアメリカ先住民のマカ族が捕鯨しても良いか否かが、ワシントン州の行政裁判で決まるかもしれない。 マカ族はワシントン州オリンピック半島のネア・ベイ地区に暮らしている。彼らは伝統的な捕鯨を再開し、今後10年間で20頭まで捕獲する権利を得るべく、アメリカ海洋大気庁(NOAA)に対して「海産哺乳動物保護法」の免除を求めているのだ。 政府はかつて「1855年条約」において、マカ族に捕鯨権を付与している。この条約の存在もあり、マカ族の要求は連邦政府と世界中の「部族共同体」から支持されているのだ。 1855年、当時のワシントン州知事アイザック・スティーブンスは、3万ドルと30万エーカーの土地の譲渡を交換条件に、マカ族に対して「魚
![「捕鯨再開」の権利を求めて─アメリカ先住民・マカ族「捕鯨」の戦い | 大切な伝統を守るため](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/4b480d0959fdb91213f0db78f3f0c55f92f7cc09/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fcourrier.jp%2Fmedia%2F2019%2F12%2F28044431%2FGettyImages-107867765-e1577443492379-1600x900.jpg)