建築家の手塚貴晴さん(右)と同じく建築家の由比さん夫妻(撮影/写真部・岸本絢)この記事の写真をすべて見る 屋根で寝転び、ごはんも食べられる「屋根の家」。園児が部屋や屋上を自由に回遊できる楕円形の「ふじようちえん」──「なぜ、いままでなかったんだろう!」と膝を打つような建築を次々と生み出す人気の“夫婦(めおと)建築家”である手塚貴晴・由比夫妻。建築は建築家のものではない。使う人のもの。それが二人の信条だという。 * * * 妻:建物をつくるときに大事なのは「どれだけ実際に使う人の視点に立って考えられるか」だと思うんです。でも例えば病院の設計会議に、患者さんはいないんですね。副島病院をつくったときに「患者さんの気持ちを代弁するのは、建築家しかいないんだ」と気がついた。だから「自分が入院するなら、こういう病院にしたい」と思ってつくったんです。 夫:次の「鎌倉山の家」も「自分たちが住むなら、こ