『俺は、君のためにこそ死ににいく』40点(100点満点中) 2007年5月12日、全国東映系にてロードショー 2006年/日本/配給:東映 保守おじさん特有の痛さが出まくり しばしば本人が語るとおり石原慎太郎の本業は作家であり、弟である大スター裕次郎の主演映画の脚本などを中心に、古くから映画作りにもかかわっている。しかし若い人にとって彼の名はまず東京都知事であり、過激なタカ派政治家とのイメージが先行しているに違いない。だから今回、彼が脚本と製作総指揮を担当したこの特攻隊映画に対し、意外かつ新鮮な思いを抱いているのではないかと私は推測する。 大東亜戦争の末期、追い詰められた日本軍はついに特攻作戦を敢行する。鹿児島県の知覧には、各地から集まった若き隊員が最後の日々をすごす陸軍特攻基地があった。そこで食堂を経営し、特攻の母と慕われた鳥濱トメ(岸惠子)は、無力ながらも彼らを暖かく見守り、献身的に世