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ブックマーク / www.kosho.or.jp (13)

  • 日本の古本屋 / 「私たちが図書館について知っている二、三の事柄」を読むにあたって

    図書館には国会図書館から専門、大学、学校、私設の図書館まであるが、このでは公共図書館について述べている。 公共図書館は地方自治体が税金を原資に運営している関連施設のひとつで、利用されたことのない人はほとんどいないはずだ。が、多くの利用者は、税金で運営されている他の公共施設と同様に、図書館を「無料」の貸屋としてしかみていないのではないか。そこがまず最初の問題だ。 図書館の貸出冊数が書店の推定販売冊数を超えたのが、2010年だが、それ以降は差が拡がるばかりだ。今やを読むとは、を買うことから始まるのではなく、借りることからになってしまった。 せめて文庫や雑誌などの廉価は、購入することを心がけねば、読者としての矜持を失うばかりでなく、出版界の基礎体力を奪ってしまい、を刊行し続けることが叶わなくなってしまう。 テレビや新聞が、その使命を報道から権力の広報へシフトし、SNSがいまいちその信

  • 日本の古本屋 / 近代出版研究が三号雑誌になりました! ――戦後「書物雑誌」のまとめ記事も掲載です

    近代出版研究が三号雑誌になりました!――戦後「書物雑誌」のまとめ記事も掲載です 小林昌樹(近代出版研究所主宰) 「三号雑誌」になりました 出版史上の「小さい問題の登録」(by柳田國男)を目指す誌も、はや3号。少なくとも「三号雑誌」にまではなりました。 誌は全国配されるような雑誌ではありません。東京なら神保町の東京堂でフェア展開をしてくださっていますので、そこでバックナンバーも含め購入できるでしょう。京都では古書店・善行堂さんが多く仕入れてくださっています。他にも意のある独立系書店や古書店さんが仕入れておられます。例えば、兵庫県・朝来市にある『人生のおやつです!!』さんなどです。 東京堂(神保町)さんで三位 いつもなら瞬間1位になる東京堂(神保町)さんのベストセラーリストでは、残念! 屋大賞1位の宮島未奈『成瀬は天下を取りにいく』などにはばまれ(笑)、3位に終わりました(それでも

  • 日本の古本屋 / 大宅壮一文庫 「集団知」が生んだ雑誌の宝庫 【書庫拝見19】

    10月4日、京王線・八幡山駅に降りる。外は雨が降っている。電車の乗り換えで手間取り、約束の時間に遅れそうなのでタクシーに乗る。左手には松沢病院が見える。 大宅壮一文庫(以下、大宅文庫)の前に着くと、事務局次長の鴨志田浩さんが出迎えてくれた。開館時間より前なので、職員通用口から中へと入る。 大宅壮一文庫外観 大宅文庫は、いわずと知れた雑誌の図書館だ。私がその存在を知ったのは、1986年に大学に入った頃だ。学部の図書室で前年に刊行された『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』全13巻を手に取った。 人名編と件名編に分かれていて、後者は「政治・その他」「探検・移民」「天皇」「戦争」「犯罪・事件」「世相」「奇人変人」「マスコミ」「日研究」「地方」など33の大項目に分類されている。「奇人変人」には「ビックリ人間」「天才」「英雄論」「ソックリさん」「ヌーディスト」「ストリーキング」「猟奇的なもの」「珍談」

  • 日本の古本屋 / 年報『近代出版研究』を創刊しました。在野研究者による書物論集です。

    ・東京堂で週間ベスト「1位」になったこと 4月はじめのことなのですが、東京堂書店(神保町すずらん通り)で恒例の、週間ベスト総合の1位に、私が出した『近代出版研究 2022』(皓星社発売)が躍り出て【図1】、出した自分が一番びっくりしました。屋大賞を受けた『同士少女よ、敵を撃て』などを抑えての1位で、ネット民も「東京堂、こえーよ」と驚いていましたが(おそらく褒め言葉)、ちょっと考えてみると、ここはむしろ「読書人の東京堂」というフレーズが予言として成就している気がします。読書人は万巻の書だけでなくを読むこと自体にも興味があるようです。 ・掲載記事――明治以降、のこといろいろ この『近代出版研究』、外見は学術雑誌っぽいですが、かなり軽く書かれたエッセーもあり、楽しく読めるものが多いです(ガチの学術的論文もあります)。 題材は、近代の読書についてのものをいろいろ取り揃えました。立ち読みの

  • 日本の古本屋 / 第28回 下平尾直さん 出版の出発点に古本があるひと

    7年前、千駄木の〈往来堂書店〉で、藤原辰史『べること考えること』と都甲幸治『狂喜の読み屋』の2冊が並べられていた。店長の笈入建志さんによると、版元の「共和国」の最初の刊行物だという。その時点ではどちらも知らない著者だったが、造の良さに惹かれて前者を買った。その後も池内規行『回想の青山光二』など、値段は張るが手元に置いておきたいを出す出版社として印象に残った。 2年前に出版業界紙で、社主の下平尾直(しもひらお・なおし)さんに取材をした。東久留米のファミレスで3時間近い話を聞くと、端々に古のことが出てくる。この人の根っこには古や古屋の経験があるのだろうと感じていたので、今回話を伺うことにした。 下平尾さんは1968年の元旦、大阪府高石市に生まれ、岸和田市に育った。両親と3つ下の弟との4人家族。父は会社員。母は好きで、棚には文学全集や美術全集が並んでいた。 幼稚園のときに読んだ絵

  • 日本の古本屋 / 『大宅壮一と古本収集』

    大宅壮一文庫は評論家・大宅壮一(1900~1970年)の収集した蔵書を引き継いで作られた日で最初の雑誌専門図書館です。 「集めた資料を多くの人が共有して利用できるものにしたい」という遺志に基づき、現在も雑誌の収集と雑誌記事索引の作成を継続し、今年の5月17日で創立50周年を迎えます。 大宅壮一は戦後日を代表する評論家で新語づくりの名人でもあり、大宅の生み出した“一億総白痴化”“口コミ”は現在でも日常用語として使われています。 大宅は他界するまでに執筆資料として雑誌17万冊、書籍3万冊を約20年間(1951~1970年)にわたって収集し続けました。主な入手方法は古屋からで、計算すると毎日約27冊を購入したことになります。個人の蔵書としては記録的な冊数を集めたといえるでしょう。 大宅の古収集には数々のエピソードが残されています。 古書組合員のみが参加できる市場に懇意の古屋と密かに入り

  • 日本の古本屋 / 戦前の愛書家、古本者の全体像は本書から――『昭和前期蒐書家リスト―趣味人・在野研究者・学者4500人』

    戦前の愛書家、古者の全体像は書から――『昭和前期蒐書家リスト―趣味人・在野研究者・学者4500人』 ブログ「書物蔵―古オモシロガリズム」の記事「蒐書家(ブックコレクター)人名事典の提唱及び作り方について」(https://shomotsugura.hatenablog.com/entry/20140428/p3)に触発され、実際に人名事典の執筆を進めている過程の副産物、それが書(全174頁)である。一言でいうと、昭和前期の各種蒐書家名簿を統合したリストで、この夏お会いした同好の士に勧められたことから、急ぎ同人誌として出版することにした。人名事典の前段階であるため情報量は少ないが、これだけの人数の戦前の愛書家、古者を一望できる資料は初めてだろうと思う。 今回統合できた名簿は下記の6種である。 「全国蒐書家名簿 第1回(昭和8年12月10日現在)」『図書案内(1)』古典社(1934年

  • 日本の古本屋 / 戦前の同人誌出版の歴史は?:同人雑誌出版マニュアルから判ること

    『文藝同人雑誌出版マニュアル―戦前版』(金沢文圃閣、2017.11)という復刻に関わった。これは珍しい次の2点の同人誌出版マニュアルの合冊復刻であり、解説「同人雑誌の作り方から何が判るか?」を付けておいたので詳しくはそちらを見られたい。 ・中野扇歌『同人雑誌の経営策』東京市深川区:民衆出版社,1923.1 76p ・杉田泰一『趣味の小文芸誌経営法』茨城県島名村:研農社,1936.12 120p 今回の復刻で重要なのは古い中野著ではなく、新しめ――といっても昭和11年だが――の杉田著のほうで、これはおそらくどこにも残っていないガリ版刷りの小冊子。2年前「日の古屋」を検索していて、たまたま発見したものだ。検索キーワードは「趣味+経営」だったか。タイトルに「雑誌」という語がないのにヒットしたのはそのせいである。ジャンル違いのキーワードを掛け合わせて検索すると意外な古が買える、という事例だ

  • 絵ハガキ図書館情報大学(6枚・袋)(図書館情報大学) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」

    ◎公費でのご注文・海外へのご発送も承っております。◎金曜日午前9時以降のご注文、翌月曜の午後より順次お返事申し上げます。◎公費の場合(後払い)は、別途メールで担当者様名と必要書類をご指示下さい。

    絵ハガキ図書館情報大学(6枚・袋)(図書館情報大学) / 古本、中古本、古書籍の通販は「日本の古本屋」
    wackunnpapa
    wackunnpapa 2017/12/11
    持っていたはずだけど,どこにやってしまったか。
  • 日本の古本屋 / 東京都立多摩図書館:「東京マガジンバンクカレッジ」の取組

    東京都立多摩図書館は、「雑誌と児童・青少年資料の図書館」として、今年1月29日に国分寺市に移転オープンしました。立川市にあった時代、平成14(2002)年に旧都立日比谷図書館の資料とサービスを引き継いで児童・青少年資料サービスを開始、平成21(2009)年には、公立図書館として国内最大規模の雑誌所蔵量を誇る「東京マガジンバンク」を開設し、雑誌の特性を生かしたサービスを開始しました。移転により、この2つのサービス及び都立図書館全体の資料収蔵庫としての役割を果たすにふさわしい施設が整備されるとともに、約200人を収容できるセミナールーム(有料貸出)も整備されました。 エントランスを通って図書館に入ると、タイムリーなテーマで雑誌を紹介する展示エリアが目に入ります。壁面が曲線を描く明るい開架閲覧室の雑誌エリアには国内外の雑誌約1,500タイトルの最近1年分が並んでいます。また、青少年エリア、児童研

  • 日本の古本屋 / 『神田神保町書肆街考』について

    神田神保町という特殊な大学街=古書店街の形成を論じた『神田神保町書肆街考』を執筆しているときに感じたのは、日は「中金持で中貧乏な国だなあ」ということだった。アメリカのような超格差社会だと大金持ちと大貧乏人しかいない。そのため大金持ちの子供が行く大学の授業料はとてつもなく高い。年間四〇〇万円以上である。一方フランスのような平等が建前の国だと大学の授業料は無料である。 では日はというと、真ん中くらいの授業料で年間一〇〇万円。そのため日の大学は専任教員の数を限定し、不足分を非常勤講師で補わざるをえない。神田神保町に明治・中央・日大・専修などの大学が蝟集しているのは非常勤講師の掛け持ちに便利だからである。 これと同じ構造を神保町の古書店街にも見ることができる。非常勤講師のやり取りに相当するのが市会である。ここでは、仕入れた不要な古書を出品し、必要な専門古書を買うことができる。市会という相互扶

    日本の古本屋 / 『神田神保町書肆街考』について
  • 日本の古本屋 / 『社史の図書館と司書の物語』神奈川県立川崎図書館社史室の5年史

    古書業界では馴染みのある社史も、社員や関係者への配布がほとんどの非売品なので、世間的に認知されているとは言い難い。その社史を約1万8千冊コレクションしている公共図書館があるのは意外かもしれない。くわえて、司書の仕事は外から見てわかりやすいとはいえず、その中でもかなり特殊な取り組みをしてきた。このような「社史」と「公共図書館」と「司書」が融合してどうなったか。書は神奈川県立川崎図書館の社史室における5年間の実践を記した一冊、もちろん実話である。ニッチなテーマの集合であるが、図書館に勤めているかのような感覚で、楽しく読みすすめられるように書いた。 同業者以外の知人に感想を聞くと、大方の反応は「こんなことまで図書館員がやっているとは知らなかった」であり、私自身が数年間を振り返っても「こんなことをやるとは思わなかった」というのが音である。 社史室の担当になって5年間、思い付いたアイデアは、小回

    日本の古本屋 / 『社史の図書館と司書の物語』神奈川県立川崎図書館社史室の5年史
  • 日本の古本屋 / ありそうでなかった業界3者の「車座」会議

    「日の取次システムは、すでに崩壊しているんですよ」。 わが国の出版流通を支えてきた仕組み。の売上が下降しつづける今日、それがもう息も絶え絶えだという程度なら話はわかる。だが、「すでに手遅れ!」というのでは、話にならんじゃないか―—。 このは昨年(2015)11月、2日間にわたって福岡市で開催した「車座トーク ~屋の未来を語ろう」の模様を中心に収録したものだ。公開座談会形式で、出席したのは私のような編集者や書店員、そしての流通(供給)の根幹を担う取次の社員、総勢12名。冒頭のセリフは、初っぱなで飛び出した衝撃発言だ。書名は、座談に参加してくれた大阪の書店さんが、昔、お客さんから言われた言葉で、彼は街の屋の存在意義に気づかされたのだという。 この座談会を主催したのはわれわれ福岡の出版・書店業界有志で2006年に立ち上げた「ブックオカ」。「ブック」と「フクオカ」をかけた造語で、毎

    日本の古本屋 / ありそうでなかった業界3者の「車座」会議
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