ロープを背負い、真っ向の打ち合いを受けてたった長谷川穂積。7回でTKO負けを喫したが、長谷川のボクシングの集大成といえる試合を見せてくれたのではないだろうか。 世界3階級制覇をかけてIBF世界スーパーバンタム級王者キコ・マルチネス(スペイン)に挑んだ長谷川穂積(真正)が4月23日、大阪城ホールのキャンバスに沈んだ。 公式記録は7回1分20秒TKO負け。WBC世界バンタム級タイトルを10度防衛し、フェザー級も制した長谷川にとって実に3年ぶりの世界戦。長谷川はいかにして戦い、なぜ3度目の世界タイトル獲得はならなかったのか─―。 初回、長谷川は上々のスタートを切ったかに見えた。しっかり足を使い、ロングレンジからボディへ左ストレート、踏み込んでの左フック。動きは悪くない。スピードのある長谷川が背の低いファイタータイプのマルチネスを迎えたのだから、理想的な滑り出しに思えた。 初回終了後のインターバル