主観的「意見」と客観的「事実」が混在する時、写真は「事実」の証拠として作用する。写真家の視線により証拠総量は変わるが、ドキュメンタリー写真の大部分は芸術よりは記録と証拠に忠実なメディアだ。こうした理由からドキュメンタリー写真はわれわれが目を背けていたり見ることができなかった事実に沿って不便な感情をも与える。本には老いて病んだおばあさん21人の写真が登場する。写真111枚が入った303ページの本は一見すると写真集だ。ページをめくるたびに写真がほぼ毎回登場する。関連情報がない他人にとってはもしかしたら意味もない写真だ。 著者の安世鴻(アン・セホン)は写真に話を加えた。おばあさん21人が直接体験した話だ。まさに第2次世界大戦当時、日本軍に「強姦」された女性の話だ。おばあさんの国籍は日帝が侵略した韓国・中国・フィリピン・インドネシア・東ティモールなどアジア地域だ。特にインドネシア・フィリピン・東テ