「飲む点滴」とも呼ばれる甘酒の市場がここ数年活況だ。森永製菓や味噌で知られるマルコメなど大手企業も甘酒販売に力を注ぐ。そんな中、無名の農家が490ミリリットルで約1500円という高価な甘酒を出し、1年で1万2000本販売した。人気の裏に開発者親子の意外なマーケティング力があった。 マーケティングリサーチ会社のインテージによると、2018年の甘酒の市場規模は約197億円。消費者の健康志向の高まりもあって、5年ほど前から急成長している。Instagramで「#(ハッシュタグ)甘酒」で検索すると、約31万件もの投稿がヒットするほどだ。 人気の高さは競争の激しさと表裏一体。そんな激戦区の甘酒市場で、元編集者の父と元ネットリサーチ会社の息子が互いの英知を結集し、農家らしからぬ戦略で“高級甘酒”をヒットさせている。「玄米がユメヲミタ」を製造販売する農業法人・山燕庵(さんえんあん)だ。同社が甘酒販売を始