正岡子規が称揚した『万葉集』の「写生」から『新古今集』の詩歌理念へ引き戻すことで、戦後日本文化の再建を目指して1975年に書下された『藤原俊成・藤原良経』。新字新仮名で刊行された同書を、塚本邦雄の信念=正字正仮名表記へもどして改題、さらなる深みと凄味を増し、新たな生命を吹き返した。新古今時代を支えた藤原俊成・藤原良経・藤原家隆・俊成卿女・宮内卿・寂蓮・慈円の7人を、渾身の力で論じ尽くした、歴史的名著。
どうして私のこころは、こんなにすぐ傷つくのだろう。他人のなにげない言葉や態度に簡単に怯えたり、落ち込んだりするのだろう。どう思われるかを気にしすぎて、自分を見失ってしまう――。こころが煮詰まり壊れてしまう前に、育ちを振り返り、母親との関係を見直すことで、ありのままの自分を大切に生きるための方法が見えてくる。自分で自分を理解し、過去はどうでも未来は自分で紡いでいくための一冊。 どうして私のこころは、こんなにすぐ傷つくのだろう? 他人のなにげない言葉や態度に簡単に怯えたり、おちこんだりする。どう思われるかを気にしすぎて、自分を見失う――。こころが煮詰まり壊れてしまう前に、育ちを振り返り、母親との関係を見直すことで、ありのままの自分を大切に生きるための方法が見えてくる。 ●自由に生きていいからこそ、こころが迷う ●育ちを振り返ることで見えてくる「自分」 ●箱庭療法で自分のこころを探る ●こころを
すべての西洋文化の源泉である傑作の数々を、その時代背景とともに概説する決定版ガイド! 年表付。 叙事詩人ホメロス、勝利歌のピンダロス、悲劇詩人エウリピデス、雄弁術のキケロ、弁辞学のセネカ、ローマ最大の詩人ウェルギリウス……。この時代の文学は、何よりもまず音の技芸だった。ホメロスやサッポーは歌であり、プラトンの対話編は巧みな話術である。今日の西欧でも、この音声による文学の伝統は根強く残っている。 二千年以上読み継がれてきた西洋の古典は、どのような背景から生まれたのか。膨大な作品と共に、歴史上の傑作を時系列で、鮮やかに解説し、文学史を一望する。 われわれ日本人にとって、いちばんわかりにくいのは、ギリシア・ローマの文学が何よりも先に、音声による文学であったことであろう。詩はギリシアでは歌うものとして発達した。ホメーロスの叙事詩も古くは竪琴の伴奏による歌だったし、サッポーの叙情詩も歌であった。エレ
蛭ヶ小島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 八幡神社:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三嶋大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 修禅寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪
著者はM・ウェーバーと並び称された経済史家である。ウェーバーが資本主義成立の要因をプロテスタンティズムの禁欲的倫理に求めたのに対し、著者は贅沢こそそのひとつと結論づけた。贅沢の背景には女性がいて、贅沢は姦通や蓄妾、売春と深く結びついていたというのである。かくて著者は断ずる。「非合法的恋愛の合法的な子供である奢侈は、資本主義を生み落とすことになった」と。(講談社学術文庫) 著者はM・ウェーバーと並び称された経済史家である。ウェーバーが資本主義成立の要因をプロテスタンティズムの禁欲的倫理に求めたのに対し、著者は贅沢こそそのひとつと結論づけた。贅沢の背景には女性がいて、贅沢は姦通や蓄妾、売春と深く結びついていたというのである。かくて著者は断ずる。「非合法的恋愛の合法的な子供である奢侈は、資本主義を生み落とすことになった」と。
アメリカ音楽産業の殿堂・グラミー賞の歴代受賞者も多数登場。 偉大なるプレイヤーたちとそのサウンドの<歴史>をめぐる、エキサイティングな1冊! ロック、ジャズ、ブルース、ファンク、ヒップホップ……音楽シーンの中心であり続けたそれらのサウンドは、19世紀以来の、他者を擬装するという欲望のもとに奏でられ、語られてきた。 アメリカ近現代における政治・社会・文化のダイナミズムのもと、その<歴史>をとらえなおし、白人/黒人という枠組みをも乗り越えようとする、真摯にして挑戦的な論考。 2011年サントリー学芸賞[芸術・文学部門]受賞 [目次] はじめに 第1章 黒と白の弁証法 ――偽装するミンストレル・ショウ 第2章 憂鬱の正統性 ――ブルースの発掘 第3章 アメリカーナの政治学 ――ヒルビリー./カントリー・ミュージック 第4章 規格の創造性 ――ティンパン・アレーと都市音楽の黎明 第5章 音楽のデモ
日本中世芸能の世界を、「勧進」「天皇」「連歌」「禅」という四つの切り口から論じる。経済活動の原動力としての勧進が芸能を包含していく過程、天皇制のなかの祓穢思想と芸能との発生のかかわり、位相の変化の連なりを集団の連関のなかで生み出す連歌のダイナミズムと美学、禅が孕むバサラ的思想。超域的な視点から能楽研究を拓いてきた第一人者の眼で歴史資料から鮮やかに見出される日本中世文化の全容を描く画期的講義の記録。 日本中世芸能の世界を、「勧進」「天皇」「連歌」「禅」という四つの切り口から論じる。経済活動の原動力としての勧進が芸能を包含していく過程、天皇制のなかの祓穢思想と芸能との発生のかかわり、位相の変化の連なりを集団の連関のなかで生み出す連歌のダイナミズムと美学、禅が孕むバサラ的思想。超域的な視点から能楽研究を拓いてきた第一人者の眼で歴史資料から鮮やかに見出される日本中世文化の全容へと迫る画期的講義の記
教会は、怪物、魔物、実在のまた想像上の動・植物などのシンボルに満ちた空間です。グリーン・マン、双面のヤヌス、人魚、ドラゴン、グリフォン……。怪物的シンボルが横溢するロマネスク教会を中心に、解読をしていきます。キリスト教と一見無縁に思われる不思議なイメージの中に、失われた民衆の精神史を探ります。また、実際の教会巡りの際に、役立つ図像事典の性格ももたせ、旅行ガイド的要素も盛り込みます。 教会をよく観察してみると、怪物、魔物、実在のまた想像上の動物、植物などのシンボルに満ちた空間であることに驚きます。よく知られたものだけでも、口から植物を生やしているグリーン・マン、双面のヤヌス、人魚、ドラゴン、グリフォンなどです。もちろん、キリストや聖人などの図像もあります。それらのイメージは、絵画や柱頭彫刻、祭壇やアーケードのレリーフといったかたちで、教会にちりばめられ、まるで一枚の世界地図を体現しているよう
本書は、サブタイトルにある「対角線の科学」について、フランスの碩学カイヨワが論じたものです。対角線の科学とは、「既得の知識をいろいろな形で横方向に切断することによって、時として危険なまでに細分化してしまっている様々な探究分野の区分を補修する」という目的をもっています。 たとえば、蝶の翅、岩石の文様、絵画、神話になんらかの共通する構造を探り出そうとします。人間界と自然界の両方の現象の背後に潜む法則・原理を取り出しうるという方にカイヨワは賭けるのです。神話学、宗教学、社会学、人類学、動物学、鉱物学、数学、物理学などの広範な知見を統合し、「類推の極致」ともいうべき想像力の洞察に、正しさを求める営みとしての哲学を試みます。
千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレンツェで咲き乱れた神秘思想へのコンパクトで本格的な入門書。(講談社学術文庫) 自然魔術、降神術、占星術、錬金術、数秘術、呪術的音楽、カバラ……。 暗黒の中世を経て、甦った古代の神々と叡智。 もうひとつのルネサンス文化・思想史 千年の「暗黒時代」の後、ルネサンスが花開く。エジプト、ギリシア、古代ヨーロッパの数多の神々が召喚され、<古代神学>が大興隆。ヘルメス、ゾロアスター、ピュタゴラスらの教説の神秘主義的刻印とは? 哲学・思想・宗教的諸説混淆(シンクレティズム)の精神風景を、オカルトも交え描く。15世紀フィレン
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