中国の医療は“看病難、看病貴(診療を受けるのは難しく、受けられても医療費が高い)”と言われて久しく、ただでさえも悪評ふんぷんだが、その医療体制を根底から揺り動かす驚くべき事実が明らかになった。それはがんで死亡した21歳の大学生が死の直前にスマホのメッセージアプリ“微信(WeChat)”に書き込んだ、病魔と闘う経緯を記した文章が引き金となったものだった。 がんとの戦い、武警第二医院に託す “魏則西”は陝西省“西安市”にある“西安電子科技大学”の“計算機学院(コンピューター学部)”の学生であった。彼は大学2年生の時に行われた“体格検査(健康診断)”で異常が発見され、精密検査を受けた結果、がんの一種である滑膜肉腫の晩期であることが判明した。滑膜肉腫は悪性軟部腫瘍であり、新たな技術開発や臨床実験中の技術を除いて有効な治療方法が発見されていない難病である。将来の希望に燃えていた魏則西にとって、これは