京都では観光客の急増が大きな問題になっている。混雑による交通渋滞(以下、渋滞)も深刻だ。行政の対応が追いついていないという意見も根強い。実際はどうなのか。 【【画像】えっ…! これが60年前の「京都駅」です(計10枚) 京都市はかなり早い段階から渋滞対策に取り組んできた。そのひとつが、1960(昭和35)年に施行された「駐車場条例」だ。これは大規模施設に駐車場の設置を義務付けるものだった。もうひとつは1970年代に登場した、観光地でのマイカー乗り入れ拒否政策である。 前者は自動車を利用する市民を対象とした施策であり、後者は自動車で訪れる観光客を対象とした施策であった。特に後者は、観光客の自動車利用が深刻な問題となっており、早急に解決する必要があった。 当時のデータによると、1972年当時、約3230万人の観光客の37%に当たる1200万人がマイカーを利用していた。そのため、観光客の多い寺社