【ソウル=辻渕智之】長崎県対馬市の観音寺から県指定の有形文化財の仏像=写真、聯合・共同=が盗まれ韓国に密輸された事件で、韓国人窃盗団の刑事裁判を審理中の韓国・大田(テジョン)地裁の報道担当判事は三日、仏像を観音寺に戻す還付決定や所有権の判断を判決で示さない方針を本紙取材に明らかにした。 仏像の扱いは宙に浮き返還が長期間滞る可能性が高まった。報道担当判事は「結局、両国政府が外交的に解決しない限り、韓国政府は日本側に引き渡さない」と述べた。冷却した日韓間の懸念が一つ増す形になる。 仏像をめぐっては、韓国中部の浮石寺(プソクサ)が十四世紀に倭寇(わこう)に略奪されたと所有権を主張。返還手続き中断と国内に一時留め置くよう求める仮処分を申請し、大田地裁民事部が二月に認めた。刑事裁判の判決は六月中にも出る見通しだが、返還や所有権に対する判断が示されなければ、仮処分決定は有効なままになる。 仏像は警察が