私も森毅の本が好きだった立場だが、一言いわせてもらう。 確かに怠惰を奨励するような言説が世に跋扈していて、それに惑わされる若者がいることは認めよう。そういう人たちを批判すること自体は構わないと思う。しかし森毅をそこで非難するのは誤爆と言わざるを得ない。 そんなときに、森が著書の中で 「ええかげんでいいんや。大学では勉強なんてしなくていい。エリートは勝手に育つもんだ」 と主張していたのに、救われた気がした。 いったい森毅がどこでそんなことを言っていたのだろうか。 森毅が言っていたことは、私の解釈では、 「こうあるべきだ、という型に囚われる必要はないし、『エリートたるものかくあるべき』という型に学生をはめるのも馬鹿らしい」 「人に言われたことやイデオロギーを何でもかんでも真に受けて生きるのは痛々しいし危ない」 というそれだけのことに尽きる。ただ、これらの命題は自家撞着と紙一重(「俺の言うことを