西田亮介著「メディアと自民党」。 総務大臣が放送局の電波停止権に言及したり、大物キャスターが番組を降りたりして、政治とメディアの関係にキナ臭さが漂いました。押さえておいていい一冊。 本書は、記者クラブや番記者制に代表される政治とメディアの「慣れ親しみ」が、ネットやソーシャルメディアの時代にどう変化しているか、中でも自民党だけがいかにメディアとの継続的な関係を築いてきているかを描きます。 2000年、政府がIT基本戦略を策定したころから、自民党は勘による選挙からデータ重視へと移行しました。特に第2次安倍内閣では、プロの手を借りつつ新広報戦略を打ち出し、コミュニケーション戦略チームを内製化していったといいます。 しかし民主党(民進党)には、政権時に記者会見のオープン化は図ったものの、自民党のような明示的な広報戦略はなかったそうです。ネット選挙解禁もチャンスがあったのに、実現したのは自民党政権に