【カイロ=貫洞欣寛】各地に広がったエジプトの反政府デモで、最大の野党勢力、ムスリム同胞団の動きが目立ち始めた。これまでのデモ参加者はネットでつながった若者たちが中心とされてきたが、28日のデモには同胞団メンバーが積極的に加わったとみられる。伝統的な宗教ネットワークを持つ同胞団の参加がデモの規模拡大につながった。 エジプト治安当局は27日夜から28日朝にかけ、同胞団の政治局員や元国会議員ら幹部少なくとも20人を拘束。さらに各地で末端活動家の拘束にも乗り出した模様だ。エジプト最大のイスラム団体である同胞団は、イスラムの伝統的価値観に沿った穏健な社会改革を求めており、テロによる政権転覆を図るアルカイダなどのイスラム過激派を強く批判している。 同胞団の活動を支えるのは、貧しい人々への生活支援など幅広い社会活動を通じた草の根の組織網だ。病院なども独自に経営しており、福祉団体としての側面も持ってい