図:体が必要なエネルギーは炭水化物、脂肪、蛋白質が分解(代謝)されて作り出される。現代の食事は、全エネルギーの60~70%を炭水化物から得ているが、このような食生活になったのは新石器時代に農耕が始まってからで、まだ1万年程度しか経っていない。その前の数百万年の間は狩猟採集によって食物を得ていたため、現代に比べて、炭水化物からのエネルギー摂取は少なく、脂肪や蛋白質からのエネルギー摂取が大きかった。狩猟採集社会ではがんが少ないという報告がある。がん細胞はグルコースに対する依存度が高いので、高炭水化物食ががんの発生や進行を促進している可能性が指摘されている。低炭水化物食ががんの予防や治療に有効であるという報告が多く発表されている。 294)糖と脂肪とがん(その1):高炭水化物食ががんを悪化させる 【ワールブルグ効果をターゲットにした治療と食事療法】 がん細胞のエネルギー産生と物質代謝における特徴
図:グルコースはアルデヒド基(-CHO)を持ち、フルクトースはケトン基(>C=O)を持つ。アルデヒド基を持つ単糖をアルドースといい、ケトン基を持つ単糖をケトースと言う。グルコース(ブドウ糖)はアルドース、フルクトース(果糖)はケトースになる。分子内に遊離性のアルデヒド基やケトン基を持っていると還元性を示すので、このような糖類を還元糖と言う。還元糖はタンパク質やアミノ酸と反応してタンパク質の糖化を引き起こし、糖化したタンパク質は分解して糖化最終生成物(AGEs)となる。糖化したタンパク質やAGEsはタンパク質の機能低下や炎症反応や酸化ストレスを高める作用があり、老化を促進し、動脈硬化やアルツハイマー病や糖尿病合併症など様々な疾患の進行を促進する。 372)糖質を止めれば健康になる理由(その①):グルコースはタンパク質を糖化する 【糖質摂取の増加が病気を増やしている】 人類の長い歴史の中で、死
以下は、ある日本人医師たちから、岡山大学チームによる『Epidemiology』誌掲載の原著論文「Thyroid Cancer Detection by Ultrasound Among Residents Ages 18 Years and Younger in Fukushima, Japan: 2011 to 2014 」(日本語タイトル:2011年から2014年の間に福島県の18歳以下の県民から超音波エコーにより検出された甲状腺がん)に関して、津田氏に寄せられた批判や意見と、それに対する津田氏の回答集である。掲載は、津田氏の許可を得ている。 論文へのリンクはこちら。 この回答集のPDFは、以下に埋め込んであるが、こちらからダウンロード可能。 論文発表時の記者会見関連記事はこちら。 2015年10月19日 日本人医師の方々から、論文に関して貴重なご指摘・ご批判を受け取りましたので、お
がん細胞を砂糖断ち。そこから生まれる新治療がすごそうだ2015.10.05 19:008,723 satomi 体内の細胞はすべて死ぬようにプログラムされています。老いるにつれ、有害分子が溜まって、病になる。そしてやがて細胞は崩壊して死に至り、健康な新しい細胞に道を譲ります。 この「プログラム細胞死」は自然の摂理であり、毎日、何十億もの細胞が死ぬことで生命体は、本来の働きを維持できているんですね。 が、プログラムにエラーがあるように、人間の体のプログラムでもエラーは起きます。損傷した細胞は本来死ぬはずなのに、なぜか成長して細胞分裂し、悪性となって腫瘍を生む。これががんで、がん細胞はプログラム細胞死を回避するため、自らのメタボリズムを組み換えることで死を逃れ、果てしなく高速増殖を続けるのです。 腫瘍のメタボリズムが普通の体内細胞より高速だということは、がん研究者の間では何十年も前から知られて
最近の科学誌ネイチャー誌には社会派の編集者が増えたのだろうか。 現実の社会問題と密接な関係のある話題を継続的に取り上げている。 2014年9月、私たちが日常口にしている人工甘味料が、糖尿病と同じ代謝障害を来す可能性を示した論文が掲載され、驚いた(人工甘味料は「糖尿病予備軍」の原因に、血糖値が下がりにくくなるhttp://www.mededge.jp/spcl/3064)。糖尿病を防ぐどころか、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を変化させてインスリン抵抗性を誘導するという内容だった。 今回紹介するジョージア州立大学からの論文も本当なら大変だ。 「乳化剤」とは 「食品に添加された乳化剤はマウスの腸内細菌叢に影響して腸炎やメタボリックシンドロームを促進する(Dietary emulsifiers impact the mouse gut microbiota promoting coli
がん糖尿病肥満老化…何にでも効く 驚異の「腸内フローラ」——調べてみたら、本当に凄かった 「NHKスペシャル」で話題沸騰! 腸内細菌の中には、悪い働きをするものもいれば、良い働きをするものもいる。それぞれの菌がどのような働きをするか、これまでほとんどわかっていなかったが、技術革新によって膨大な細菌の遺伝子解析が可能になったことで急速に研究が進歩した。その結果、どの細菌がどのような働きをするのか、新たな事実がわかるようになってきている。 たとえば、Aという菌ががんを引き起こす原因を作っているとしよう。その菌を腸内に持っていない人はがんのリスクが低いが、Aが腸内で大量に増殖している人は、がんのリスクが高くなる。どんな種類の菌がどのようなバランスで存在しているかによって、その人の病気になるリスクや体質が異なってくる。 逆に言えば、腸内フローラのバランスを調整することで、あらゆる病気を予防したり治
「健康で長生き」は誰しも望むところですが、この世はとかく不条理です。最近、タバコは今まで吸ったことはない、必ず禁煙車に乗る、家人・客の室内喫煙は固くご遠慮願うという40代の女性が肺がんで亡くなりました。タバコが肺がんに関係があることは間違いありませんが、世人はタバコに罪を負わせ過ぎています。もっと重要なものがあります。それは日常茶飯(毎日の食事)です。あなたが毎日食べているものがあなたががんで死ぬかどうかを決めるのです。わたくし達は酸素を吸って生きている生物です。酸素を利用するかぎり、がんは「避けられない病気」なのです。からだの中にがんができても、がんが命取りにならなければいいわけです。がんを抱えながらも80-90歳まで生きれば不条理とはいえません。そんなことができるかって? できるのです。がんは「避けられない病気」であると同時に「予防可能な病気」でもあります。 糖尿病・最新版 (随時更新
dreswl @dre_swl ↓の文献では88年から16年間:女子高生2869人の甲状腺触診0.4%で結節を触れ紹介精査。うち1名で乳頭癌。抗甲状腺抗体陽性者は3.3%。(考察:大学生で6.4%)とのこと。 http://t.co/ufHDwX4Bj6 2013-05-03 01:51:46 早川由紀夫 @HayakawaYukio 女子高生の甲状腺触診で6/2869すなわち0.2%に結節発見という。 http://t.co/YJIOk5eWCd 福島および他3県での超音波検査でB判定が0.5~1.0%とよく符合する結果と思う。B判定は原発事故とは無関係に前からあったの仮説はここでも検証に耐えた。 2013-05-03 06:16:14
どんなコラム? 職業は科学ライターだけど、毎日お買い物をし、家族の食事を作る生活者、消費者でもあります。多角的な視点で食の課題に迫ります プロフィール 京都大学大学院農学研究科修士課程修了後、新聞記者勤務10年を経て2000年からフリーランスの科学ライターとして活動 「キリンメッツコーラに、発がん物質が含まれていることが分かった。キリンビバレッジが認めた」という書き出しで始まる記事がMy news Japanというサイトに出て、少し話題になっている。 でも、「また、このトリックか!」と、既視感に襲われているのは、私だけではないはず。発がん物質という言葉で市民を震え上がらせるのは、市民団体やメディアなどがこれまで、さんざんとってきた手法。だが、ごく普通の食品にも、自然に生成する発がん物質が数多く含まれていることがわかってきて、様相は変わった。 発がん物質のリスクは、その毒性の種類や含まれる量
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