独自の「防振技術」で最先端を行く松田技術研究所(MRD)は東京・板橋区の住宅街の一角にある社員10人の小さな会社だ。防振サスペンション(懸架装置)を使った「はやぶさ」回収輸送ボックスや、免振車いすなど“オンリーワン商品”を次々と開発。本田技研工業(ホンダ)出身の技術者・松田真次社長(70)による型破りな開発スタイルはどのように生まれたのか。 郵便集配ボックスがドル箱にオートバイ用品の開発で社内外で勇名をはせていた松田が、人もうらやむ大企業のホンダを辞めたのは1982年、37歳のときだった。手掛けた用品が次から次にヒットする人気の開発デザイナーだったが、限界も感じていた。「用品はしょせん個人の趣味嗜好品。商品の寿命は短く、すぐあきられる。もっと寿命が長く、社会に貢献できるものがやりたかった」。それに「高卒だから、役員にはなれないと分かっていた」。 創業当初はホンダやヤマハのバイク用純正部品を
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