事実と異なる内容を電子書籍に記載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長が元町議の女ら3人に計4400万円の損害賠償を求めた民事訴訟で、元町議の女は2日までに、名誉毀損(きそん)を認めて275万円の支払いを命じた一審前橋地裁判決を不服として控訴した。1日付。 黒岩町長は「性被害がなかったことは明白。(元町議の女の)主張を確認し、付帯控訴を検討する」とした。 判決では、「町長室で町長と肉体関係を持った」とする元町議の女の告白について、性交渉はなかったと認定した。
鎌倉幕府を滅亡させた戦国武将、新田義貞の次男で、南北朝動乱で非業の死を遂げた新田義興(1331~1358年)の菩提(ぼだい)寺の威光寺(群馬県太田市由良町、宮山弘存住職)にある義興の墓の下から、鎌倉時代のものと推定される骨が見つかった。骨は骨つぼに入った状態で、焼かれていて古いため人物特定には至らなかったが、同寺は墓を改修し、5月11日に開眼供養を行う。宮山住職は「骨は義興のものと信じている。歴史のロマンを多くの人に感じてほしい」と話している。 同寺が昨秋、改修のために義興の墓周辺を掘ると、三つの骨が入った骨つぼが見つかったという。うち二つは完全な形で、縦横ともに25センチ程度。義興と、その母で義貞の側室だった台姫や侍従の墓が並ぶ敷地の地中50~60センチの場所で発見された。残る一つは破片だった。 骨つぼは穴が開き、口が欠けるなどしている。発掘調査を行った市教委によると、同寺周辺の文化財調
群馬県の芸術文化の象徴である群馬交響楽団。その草創期をモデルにした映画「ここに泉あり」は1955年に公開され、楽団の知名度を全国区へ押し上げた。物語は、終戦直後に地方都市で交響楽団を運営する難しさとともに、楽団員の情熱を描く。山村の子どもにも本物の音色を届ける姿は胸を打つ。 岸恵子さんや岡田英次さん、前橋市出身の小林桂樹さんらが前橋、高崎など県内外で撮影した。作曲家の山田耕筰やピアニストの室井摩耶子さんは本人役で出演している。映画「青い山脈」などを手がけた今井正監督がメガホンを取った。 作品に感銘を受けた詩人の崔華國さんが鑑賞翌日に栃木県から高崎に駆け付け、その後クラシック喫茶「あすなろ」を開店。楽団拠点となる群馬音楽センター建設にも力を尽くすなど、作品が群馬の文化振興に果たした役割は大きい。 作品に描かれた楽団員の熱意は、封切りから69年を経た群響にも変わらずに息づく。小中学生を対象にし
公立図書館で、電子書籍サービスを導入する動きが広がっている。インターネットを通じてパソコンやスマートフォンなどさまざまなデバイス上で24時間365日利用でき、開館日を気にしたり、資料を返却に行く手間もかからない。「電子書籍はよく分からない」という人こそ試してみてはどうだろう。 期限には自動で返却 群馬県内では現在、県立図書館のほか、前橋、藤岡、富岡、みどり、甘楽の5市町の図書館が電子書籍サービスを導入している。県立図書館では、同館のホームページ(HP)を通じて利用者が専用サイトにアクセスすることで電子書籍を閲覧できる。5市町は「電子図書館」のサイトを開設し、紙の書籍と同様に電子書籍を期間限定で貸し出す仕組みになっている。 県立図書館の電子書籍サービス。参考書や学術書が充実している 利用できるのは、原則として各図書館の貸し出しカードを持っている人。カードは周辺市町村の住民でも作れるが、図書館
スマートフォンやタブレット端末といったデジタルデバイスで読書を楽しむ人が増えている。電子書籍が支持される理由は、いつでも、どこでも本が手に入り、ページを開けるところ。収納スペースを気にすることなく「マイ本棚」を持ち運ぶイメージだ。読書環境をもっと豊かにしてくれるサービスを紹介する。 電子書籍の利点の一つは文字を大きく拡大できるところ。背景色もベージュ、黒など自由に変更できるものもある 場所取らず数百冊 電子書籍は本のページを電子データ化し、スマホなどで閲覧できるようにしたもの。紙の書籍のように一ページずつめくる感覚で読める。実店舗はなく、ウェブ上の電子書籍ストアなどでアカウントを取得して本を購入したり、閲覧したりする。 電子書籍サービスは、通販サイトのAmazon(アマゾン)が運営する「Kindle(キンドル)」、楽天グループの「楽天Kobo(コボ)」をはじめ数多くある。サービスによって取
群馬テレビ(群馬県前橋市上小出町、中川伸一郎社長)は7日、労使対立していた同社労働組合と覚書を締結し、和解したと発表した。適切な人事異動や、中立公正で地域社会に貢献する放送局を目指すことなど計5項目で合意した。組合側も8日、県労働委員会への救済申し立てを取り下げる方針。武井和夫前社長の解職劇に発展した同社の労使対立を巡る混乱は、一つの区切りを迎えた。 覚書では、①業務の専門性を認め、社員の将来を見据えた人事異動、会社の業務向上を考えた人員配置を行う②中立公正であるべき放送機関、公益の電波を発する放送局として、社会的責任を常に尊重し、地域社会に貢献する放送局を労使ともに目指す③外部の意見も取り入れながら、社会的地位の向上に向けた取り組みを行う―などが確認された。 中川社長は「執行体制を刷新し、従業員ともども腹を割っての話し合いを重ねてきた。刷新と改革を一過性のものとせず、常に新しいことに挑戦
撤去工事が始まった「群馬の森」にある朝鮮人労働者の追悼碑=29日午後1時28分、群馬県高崎市(共同通信社ヘリから)
「町長室で肉体関係を持った」とする告白文を載せた電子書籍を出版したとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長に対する名誉毀損(きそん)の罪に問われた埼玉県のフリーライターの被告の男(57)の判決公判が22日、前橋地裁であった。橋本健裁判長は、「虚偽が流布されて名誉を著しく毀損した。責任は軽くない」として懲役1年、執行猶予3年(求刑・懲役1年)の有罪判決を言い渡した。 橋本裁判長は判決理由で、元町議(同罪と虚偽告訴罪で在宅起訴)の告白態度は曖昧で、経緯や状況などの内容も具体性を欠いていたと指摘。インタビューするまで元町議と面識が乏しかったのに信じたのは早計だったとして、「確実な資料や根拠はなく、名誉毀損の故意があった」と認定した。 公判を傍聴した黒岩町長は閉廷後、「海外メディアにも取り上げられ、私だけでなく町がばかにされた。猶予判決だが、求刑通りの刑が認められてほっとしている」と述べた。 判決による
群馬テレビ(前橋市上小出町)は22日、取締役会で武井和夫社長(76)を解職して代表権のない取締役とし、新社長に中川伸一郎専務兼報道局長(62)を選任したと発表した。同社を巡っては、人事を巡り不当労働行為があったとして労働組合が県労働委員会に救済を申し立てるなど、混乱が生じていた。解職理由を「正常な形での放送業務を果たせない状況を改善するため」などとしている。 同社によると、同日の取締役会には16人が出席。武井氏の解職決議案は過半数の賛成で承認された。武井氏から発言はなかったという。「求められる社会的責任、使命、正常な形での放送業務を果たせない状況を改善し、県域放送局としてあるべき姿を回復させるべく熟慮を重ねた結果」としている。 組合は10月に県労働委員会に救済を申し立てた際の記者会見で、武井氏が8月までの3年間に計25回、延べ122人と業務実態を無視した人事異動を繰り返したり、「スポンサー
高校生は海沿い人気 青春真っただ中の高校生は、どんな鉄道旅をしてみたいのか。前橋高校鉄道研究部の部員8人に、青春18きっぷで行ってみたい場所を尋ねたところ、海沿いルートを挙げる生徒が多かった。 「鉄分」たっぷりの青春を過ごす前橋高校鉄道研究部の部員 部長の飯島鴻太郎さん(2年)は、普通列車で日本一周する旅を夢見ている。「特に北海道が楽しみ。計画だと23日かかるが、いつか実現したい」と意気込む。 部員の市川仁さん(1年)は、この夏に18きっぷで旅をした。「瀬戸内海や大阪の夜景がきれいだった」と振り返る。12月にも世界遺産の姫路城を目指す予定だ。 部員らが18きっぷで行ってみたい場所は次の通り(一部寝台列車を含む)。 飯島 鴻太郎さん(2年、音鉄) 1年の時に計画した23日間日本一周の旅を実現したい。特に北海道の海の幸が楽しみ。好きな発車メロディーは郡山駅。 豊田 楓芽さん(2年、乗り鉄) 1
公安調査庁がホームページなどで公表する「国際テロリズム要覧」2023年版から昨年版まで「テロ組織」として挙げていた情報が大幅に削除された問題を巡り、小泉龍司法相は7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスがリストから外れたことについて「明らかにおかしい。大至急、正しい道に戻るよう方策を採ろうとしている」と参院法務委で語り、政府としての不備を認めた。一方、トルコでクルド人の民族自決を掲げる「クルディスタン労働者党(PKK)」に関する情報削除を巡り、在トルコ日本大使館は6日、公式ホームページで「日本政府は2002年以来、PKKをテロ組織に指定しており、その点について何ら変更はない」とするトルコ語の釈明文を掲載した。 国際テロリズム要覧は、国際テロリズムの潮流や組織の実態を把握し整理するため、公安調査庁が1993年から発刊する。今年9月下旬、通算第20版となる2023年版を発行し、11月24
店舗数の減少が続く一方で、県内では書店の大型化が進み、大型商業施設内への出店が相次いでいる。全国の大型書店(300坪以上)の店舗数は横ばいを維持しており、店舗当たりの売り場面積を見ると、10年前よりも拡大する傾向にある。 全国に書店を展開する丸善ジュンク堂(東京都中央区)は今年4月、吉岡町の大型商業施設「ジョイホンパーク吉岡」内に県内初出店した。大型書店と同程度の売り場を設け、施設利用客を呼び込む。ファミリー層向けに、家族で過ごせる読書スペースや児童書を充実させた。12月には伊勢崎市内の大型商業施設「スマーク伊勢崎」内にも同様の業態で出店を予定している。 同社担当者は地方では今後、集客機能と蔵書量を持った「超大型書店」への一極化が進むと指摘する。「ネットが普及し、何でもそろう書店に人が集まるようになった。『1地域1書店』が現実化しつつある」と分析している。
明治初期に高崎藩の農民が年貢減免を求めた「高崎五万石騒動」を後世に伝えようと、農民4千人余りが高崎城に行進した「城押し出し」を再現する催しが5日、群馬県高崎市高松町の同城跡などで行われた。会員と一般参加者ら計30人が市内を行進し、かつて決行された命懸けの訴えを追体験した。 「高崎五万石騒動を語り継ぐ会」(女屋定俊会長)が主催した。同会によると民衆は「年貢を米でなく貨幣で納められるようにすること」「高崎藩の年貢を他藩並みに下げること」の二つを主に求め、現在の進雄神社(同市柴崎町)から高崎城まで行進した。「農家の正装」とされる、みのとかさを身に着けて、普通の生活をさせてほしいと訴えたという。 この日は、1869(明治2)年の騒動の結果、犠牲になった農民を祭る五万石騒動義人堂(同市東町)から高崎城跡までを約40分かけて行進。城跡前で郡奉行に嘆願書を渡す劇を披露した。劇の見学者には騒動から154周
事実と異なる内容を電子書籍に記載され名誉を傷つけられたとして、群馬県草津町の黒岩信忠町長が、ライターの男と元町議の女と男の3人に対し、計4400万円の損害賠償を求めた民事訴訟の口頭弁論が1日、前橋地裁(田中芳樹裁判長)であった。元町議の女は本人尋問で、書籍に記された黒岩町長との肉体関係はなく、性被害を訴えた記者会見の内容も虚偽があったと明かした。 元町議の女が法廷で虚偽を認めるのは初めて。その上で、「胸や太ももを触られた」と主張した。黒岩町長も出廷し、「指一本触れていない。(虚偽で)草津町がバッシングの対象になった」と訴えた。 訴状によると、元町議の女からの情報提供を基にライターの男が電子書籍を出版。元町議の男は町議会で町長不信任決議案の提出者として、虚偽の記載がある理由書を読み上げたとされる。 ライターの男は名誉毀損(きそん)罪、元町議の女は同罪と虚偽告訴罪で昨年、前橋地検に在宅起訴され
古墳時代は東国の拠点として繁栄し、今も古墳や埴輪(はにわ)など多くの歴史文化遺産が残る群馬県。亡くなった人の墓である古墳は権力や財力を示す政治的なモニュメントでもあり、古代群馬の知られざるストーリーが詰まっている。早稲田大在学時から古墳について研究してきた県埋蔵文化財調査事業団の専門員、今城未知さん(32)=高崎市=は大の古墳好き。群馬県の古墳の魅力を聞いた。 いまじょう・みち 1991年、高知県生まれ。早稲田大文学部考古学コースを卒業。同大大学院修士課程を経て、総合研究大学院大博士後期課程満期退学。県埋蔵文化財調査事業団調査部に所属する傍ら、古墳の研究を続けている。高崎市在住。 国際的に活躍 「すごく広いですよね」。高崎市綿貫町の国史跡「観音山古墳」。ひっそりとした横穴式石室内で、笑顔で語った。「石材を器用に積んで、この石室空間が造られている。当時の人々の力が結集した古墳だと思います」
沖縄県宮古島付近で4月に起きた陸上自衛隊ヘリコプター事故で、事故機には群馬県中之条町出身で第8師団司令部の伊東英一2等陸佐(47)が搭乗していた。発生以来捜索が続けられてきたが、伊東さんら4人は行方不明のままで、陸自は生存の可能性は低いとして死亡と判断した。父の周作さん(79)=同町折田=は「こんなことが起こるとは、今も信じられずにいる。せめて体の一部でも見つかってほしい」と悲痛な思いを語った。 周作さんによると、伊東さんは司令部の中核を担う幹部の一人として、情報関係の業務に従事していた。3月に着任したばかりだった。 事故の一報が届いたのは発生当日の夜だった。周作さんは「書類を決裁する立場と思っていた。ヘリに乗っていたと聞き耳を疑った」と振り返る。 4月中旬、第8師団の司令部が置かれる熊本市に出向いて捜索状況の説明を受け、宮古島周辺を含めこれまでに計3回足を運んだ。機体発見地点の近くに行っ
「町長室で肉体関係を持った」とする告白文を載せた電子書籍を出版し、群馬県草津町長に対する名誉毀損(きそん)の罪に問われた埼玉県のフリーライターの男(56)の公判が29日までに、前橋地裁(橋本健裁判長)であった。男は「(告白が)首尾一貫して、信じるに足ると思った」と主張した。 弁護側の被告人質問で、被告は元町議の女性(名誉毀損などの罪で在宅起訴)へのインタビュー内容を「迫真的で齟齬(そご)や矛盾がなかった」と弁明。町長に取材しなかったことについて、「本人のセクハラを取材しても認めるはずがないと分かっていた」とした。 起訴状によると、被告は女性と共謀して2019年11月11日ごろ、電子書籍を販売サイトに掲示し、町長の名誉を傷つけたとされる。女性は町長からわいせつ行為を受けたとする虚偽の告訴状を提出したとして虚偽告訴罪でも在宅起訴されている。
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