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ブックマーク / synodos.jp (48)

  • 市民活動をめぐる“3つの事実”――「ボランティア」とは誰なのか?/三谷はるよ - SYNODOS

    1995年の阪神・淡路大震災から25年が経つ。甚大な被害がもたらされた一方で、その年は130万人を超える人々が災害ボランティアとして救援・支援活動に従事した。彼らの姿は国内外のメディアにも大きく取り上げられた。ごく普通の人々が「ボランティア」を知り、活動に参加するきっかけになったとして、1995年は日の「ボランティア元年」と呼ばれている。 それから四半世紀。ボランティア活動は日社会に根づいたのだろうか。また、どのような立場の人でも参加できる市民活動になったのだろうか。 筆者は長年、市民活動の担い手像を社会調査データから実証的に探ってきた。記事では、一連の研究から得られた知見のいくつかを紹介する。とくに「ボランティア」に関して、一般の方々があまり知らないであろう“3つの事実”を紹介したい。 「ボランティア元年」以降、日社会において「ボランティアは増えている」といると素朴に思っている人

    市民活動をめぐる“3つの事実”――「ボランティア」とは誰なのか?/三谷はるよ - SYNODOS
  • なぜ日本に社会民主主義は根付かないのか?/近藤康史 - SYNODOS

    筆者は以前に、『深まる社会民主主義のジレンマ』というタイトルで、近年のヨーロッパ各国における社会民主主義政党の状況について考える論考を寄稿した(2019年3月26日公開)。今回はそこでの議論も踏まえ、その続編として「日における社会民主主義」について考えてみたい。 現在において「日の社会民主主義」を考える場合、まず思いつくのは、かつての日社会党の系譜を受け継ぐ社会民主党の存在であろう。しかし直近の参議院選挙(2019年7月)で社会民主党は比例区にて得票率2.09%で、かろうじて1議席を獲得するにとどまった。この選挙で話題となったれいわ新撰組と比べても得票数は半分以下である。また、同じく話題となったNHKから国民を守る会を、比例区ではかろうじて上回ったものの、その差は6万票程度、得票率にして0.12%の差であった。 もちろん、社会民主党だけが社会民主主義を体現する政党というわけではないだ

    なぜ日本に社会民主主義は根付かないのか?/近藤康史 - SYNODOS
  • 香川県ネット・ゲーム依存症対策条例の問題点/杉野直也 - SYNODOS

    2020年1月10日、Twitterのトレンドに「ゲーム禁止」という言葉が急浮上した。 子どものスマートフォンやゲーム機の使用は1日60分まで――。 具体的な時間制限を盛り込んだ「ネット・ゲーム依存症対策条例」の素案を、香川県議会がまとめたと報道され、これがネット上で大きな波紋を呼んだのである。 「ネット・ゲーム依存症対策条例」は、1月10日に「第5回香川県議会ネット・ゲーム依存症対策に関する条例検討委員会」に提出された条例素案(旧案)と、1月20日に「第6回香川県議会・ゲーム依存症対策に関する条例検討委員会」に提出された修正素案(新案)の2種類が存在する。 稿では、これらの素案について見ていく。 なお、この記事を執筆している1月21日現在、香川県は両案ともネット上には公開していない。筆者が県から入手し、ネットに公開したものを基とする。 旧案を見た時に最初に思ったのは、非常に観念的なもの

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  • 京都大吉田寮問題とはなにか――大学自治の行方/広瀬一隆 - SYNODOS

    自由な研究と教育が重んじられる大学で、管理強化が進んでいる象徴なのだろうか――。京都大は、現役では日最古の学生寮「吉田寮」の旧棟と堂からの立ち退きを求めて寮生を相手に京都地裁へ提訴、7月4日に第一回口頭弁論が開かれた。訴訟に至るまでの大学執行部と寮生側の対立を取材してきた地元紙記者として、一連の動きは大学の変質を告げているように感じられてならない。 「対話」を根幹とした教育を掲げる京都大でなぜ、大学側が学生を訴えるという事態に至ったのか。学生との対話をなおざりにする大学が、社会と対話して独自の研究や教育を続けられるのだろうか。 「一部の学生が騒いでいるだけ」と突き放すこともできる。もちろんそうした面はあるだろう。だが私は、吉田寮で進行している状況をそう簡単に片付けるわけにはいかないと考えている。大学自治の行方を占う上で重要な問題を孕んでいるからだ。 7月4日午前11時半。京都地裁でもっ

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  • ひきこもりと犯罪/井出草平 - SYNODOS

    昨今、ひきこもり状態にある者の犯罪が立て続けに起こっている。それに対して、「ひきこもりの犯罪は稀である」という啓蒙記事が新聞には掲載された。この種の報道は正しい。たとえば、東京新聞には下記のような記事が掲載されている。 関連事件の割合わずか 紙と紙が加盟する共同通信の記事データベースで、殺人、殺人未遂事件の容疑者で引きこもりだったと報じられたケースが何件あるかを調べた。その結果、1999年から2019年までの過去20年間で43件あった。事件発生後の捜査当局での証言、証拠などから明らかになったものですべてを網羅するデータとは言えないが、年平均で約2件だ。…(中略)…殺人の認知件数は1999年に1265件で、2003年頃に1400件を越えたが、それ以降は減少傾向。過去5年では900件前後だ。そうすると、「年2件」は全体の0.002%でしかない。(「東京新聞」2019年6月6日) 東京新聞に

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  • 入管法改正の論点――言及されたこと、されていないこと/加藤真 - SYNODOS

    入管法改正の論点――言及されたこと、されていないこと 加藤真 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 社会 日の外国人/移民政策が変革期を迎えている。昨年10月末に召集された第197回国会では、「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律案」(以下、改正法案)が議論され、最終的に12月8日深夜に法案可決、12月25日に詳細な「基方針」や「分野別運用方針」が閣議決定された。2019年4月には、労働力不足に対応するために在留資格「特定技能」での外国人労働者の受入れが始まる予定である。 改めて、改正法案の可決・各種方針の閣議決定に至るまでの昨年1年間の流れを図表1にまとめている。 図表1 改正入管法及び法務省設置法制定に関わる経過 (資料)筆者作成。 図表1をみると、従来から日政府が堅持してきた、「国民のコンセンサスを踏まえる必要性などの理由から、労働力不足への対応の

    入管法改正の論点――言及されたこと、されていないこと/加藤真 - SYNODOS
  • 「ムスリムの反ユダヤ主義」?――ヨーロッパ移民・難民問題のもう一つの側面 / 武井彩佳 / ドイツ現代史、ユダヤ現代史 | SYNODOS -シノドス-

    「ムスリムの反ユダヤ主義」?――ヨーロッパ移民・難民問題のもう一つの側面 武井彩佳 ドイツ現代史、ホロコースト研究 国際 #ムスリム#反ユダヤ 今年の春、ベルリンで頭にユダヤ教徒のキッパを被った男性が、シリア難民とされる若い男にベルトで殴打される映像がインターネットで拡散した(注1)。被害男性はイスラエル人だが、ユダヤ教徒ではなく、ドイツでキッパを被ると危ないという意見が当かどうか試してみて実際に被害に遭ったという。 (注1)http://www.spiegel.de/video/berlin-israeli-mit-guertel-verpruegelt-video-99016995.html 同じ頃、2017年の反ユダヤ主義的な刑事事件数が公表され、総数1504件、つまりドイツでは一日に約4件の割合で反ユダヤ主義的な犯罪が発生したという統計が出ていた(注2)。この事件はすでに移民・難

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  • 「非暴力」という抵抗――キング牧師の戦い/『マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士』著者、黒﨑真氏インタビュー - SYNODOS

    「非暴力」という抵抗――キング牧師の戦い 『マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士』著者、黒﨑真氏インタビュー 国際 #キング牧師#公民権運動 20世紀半ば、アメリカ社会における黒人の地位向上と、人々の平等を目指し活動したマーティン・ルーサー・キングJr.牧師。彼の暗殺から半世紀がたった今年、その軌跡をたどる『マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士』が岩波新書から出版された。非暴力闘争による社会変革に生涯を費やしたキング牧師。その生きざまを、著者の黒﨑真氏に伺った。(聞き手・構成/増田穂) ――ご著書の冒頭には、公民権運動を始めた当初、キング牧師の非暴力に対する認識は不完全だった点が述べられています。キング牧師というと、ガンディーと並び「非暴力の人」という印象が強かったので意外でした。 ええ。彼が最初に出版した著書『自由への大いなる歩み』のなかでも、大学院時代にガンディーに関す

    「非暴力」という抵抗――キング牧師の戦い/『マーティン・ルーサー・キング――非暴力の闘士』著者、黒﨑真氏インタビュー - SYNODOS
    Arecolle
    Arecolle 2018/12/25
    古今東西、差別者というのは被害者面して「被差別者の脅威」を言い募るもの
  • 自衛隊海外派遣論議が深まらないわけ / 中村長史 / 国際政治学 | SYNODOS -シノドス-

    実質的な議論がなされない。国連平和協力法案(1990年)、国際平和協力法(1992年)、テロ対策特別措置法(2001年)、イラク復興支援特別措置法(2003年)、そして平和安全法制〔いわゆる安保法制〕(2015年)と、自衛隊海外派遣について国会内外で議論が起こる度に、四半世紀にわたって繰り返し指摘されてきた点である。では、実質的な議論とは何か。どうすれば、それが可能になるのか。安保法制の喧騒は去れども、次の機会に同じ轍を踏まぬために、いま改めて考えてみる必要があるのではないか。 以下では、まず、これまでの議論が「論難あれども対話なし」ともいうべき派遣積極派と派遣消極派の対立状況にある様子を素描する。次いで、積極派・消極派双方の論拠をみていくが、重視している観点(国際協調・国際的評価への配慮)と盲点(政策効果の看過)が実は共通していることが明らかになる。この分析が見当違いではないとすれば、

    自衛隊海外派遣論議が深まらないわけ / 中村長史 / 国際政治学 | SYNODOS -シノドス-
  • ロヒンギャ難民問題――現地調査から見えてくる現状と課題 / 小峯茂嗣 / NPO法人インターバンド代表理事 | SYNODOS -シノドス-

    2017年8月、ミャンマー西部ラカイン州から、ロヒンギャと呼ばれる人々が、迫害を逃れて隣国のバングラデシュに大量に移動した。その背景には、長年にわたるミャンマー人のロヒンギャへの迫害があったが、契機になったのは、ロヒンギャの人々によって組織されるアラカン・ロヒンギャ救世軍(ARSA)による襲撃事件と、ミャンマー軍の報復攻撃がある。 ここで簡単にARSAについて説明をしておく。ARSAは、2012年にパキスタン人のアタウッラーがミャンマーのロヒンギャと創設した武装組織とされる。その後ARSAは2016年10月に、国境検問所など3カ所を約400人で襲撃している。その際にアタウッラーは、バングラデシュ内にすでに置かれていたナヤパラ難民キャンプに潜入し、ロヒンギャ難民に軍事訓練を施していた(バングラデシュ人ジャーナリストによる情報)。 その結果、ミャンマー軍はARSAの行為に対し、ロヒンギャの村々

    ロヒンギャ難民問題――現地調査から見えてくる現状と課題 / 小峯茂嗣 / NPO法人インターバンド代表理事 | SYNODOS -シノドス-
  • 小山エミ、山口智美両氏の記事の削除について / | SYNODOS -シノドス-

    小山エミ、山口智美両氏の記事を削除した件について、お騒がせし、またご心配をおかけして申し訳ございません。下記に件についての経緯をご説明いたします。 まず、以前シノドスが運営し、今は他者に譲渡することとなった「ファクトチェック福島」の記事に対し、シノドスの評価を不当に損ねるように見える両氏によるツイートがありました。これを「悪意をもって偽情報を流している」と受け止め、そのような人の書いたものは信頼できず、掲載を続けるべきではないと感じ、記事を削除しました。 しかし、多くの方から多数のご指摘をいただき、「悪意をもって偽情報を流している」とは断定できないと思うに至りました。また、人物と記事は分けて考えるべきで、仮に執筆者に問題があった場合であっても、それだけを根拠に記事を削除することはメディアとしての信頼を失わせるという意見をいただき、あまりに一方的で拙速な対応をしてしまったことを痛感し、先の

    Arecolle
    Arecolle 2018/09/11
    FC福島のときは、興味深い記事も読ませてもらっていたしと思ってシノドスにまで見切りをつけることはしなかったが、さすがに今回は厳しい
  • 安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること/児玉真美 - SYNODOS

    尊厳死法制化をめぐる議論で、尊厳死を推進しようとする人たちの中から「既に安楽死や自殺幇助を合法化した国では、なんらおぞましいことは起こっていない」という発言が出ることがある。私はそうした発言に遭遇するたびに、そこでつまづき、フリーズしたまま、その先の議論についていくことができなくなってしまう。 「おぞましいこと」は当に起こっていないか? それとも現実に何が起こっているかを、この人は知らないのか? しかし、これだけ尊厳死法制化に積極的に関わってきたこの人が、当に知らないということがあるだろうか? それとも現実に起こっていることを十分に承知していながら、なおかつそれらをこの人は「おぞましい」とは思わない、ということなのだろうか? ……目の前の議論から脱落し、そこに立ち尽くしたまま、私の頭はこだわり続けてしまう。 2006年の夏から、インターネットを使って介護と医療に関連する英語ニュースをチ

    安楽死や自殺幇助が合法化された国々で起こっていること/児玉真美 - SYNODOS
  • 歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために/『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー - SYNODOS

    歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために 『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー 情報 #「新しいリベラル」を構想するために 90年代に現れた歴史修正主義的言説。多くの学術的な批判がなされてきたが、一向に収束する気配はなく、インターネット時代になってますます広く深く蔓延している。なぜ、学術は無力にみえるのか? あるいは、まだ学術の力を信じることはできるのか? 『歴史修正主義とサブカルチャー』の著者、倉橋耕平氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――最初に書のコンセプトを教えてください。 今国会で財務省の公文書改ざんが話題になっていますが、あれこそまさに「歴史修正主義(=歴史否定論)」の系譜にある思考です。私が今回ので問題にしていることの根幹というか、その最悪の事態がいままさに目の前で起こっている。歴史を恣意的に歪めることは、事実を歪めることです

    歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために/『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー - SYNODOS
    Arecolle
    Arecolle 2018/04/16
    歴史修正主義のみならず一般市民もアカデミズムがとる知の体系を共有しない傾向にあるのが問題。この点を克服せずに知識を与えても反駁対象として断片化されるため効果が薄い(先日ブログに書いた
  • 朝鮮学校「無償化」除外問題Q&A/金明秀 - SYNODOS

    朝鮮学校に対する「高校無償化」除外は、事態が一歩も進まないまま恒久化の様相を呈しつつあります。問題が長期化するにともなって、権威あるメディアによって正確な情報が共有される機会が減り、逆に巷間では、誤情報が修正されずに流布することが多くなってきたように思います。 そこで、稿ではQ&A形式であらためて情報を整理したいと思います。朝鮮学校「無償化」除外問題を論じるにあたって参考にしていただければ幸いです。 せっかく情報を整理しようというのに言葉の使い方で混乱があってはなりませんので、はじめに4つ用語の整理をしておきます。 (1)いわゆる「高校無償化」は、後述する通り2つの事業からなっているのですが、その両方を含む制度全体を「高校無償化」と呼ぶことにします。 (2)朝鮮民主主義人民共和国のことは北朝鮮と表記します。 (3)朝鮮高級学校の略称は通常「朝高」ですが、文中ではやや視認性が悪いため「朝鮮

    朝鮮学校「無償化」除外問題Q&A/金明秀 - SYNODOS
  • 教育はイデオロギーでなく「運用」で語れ――安全装置としての「理想の日本人像」/『文部省の研究』著者、辻田真佐憲氏インタビュー - SYNODOS

    教育はイデオロギーでなく「運用」で語れ――安全装置としての「理想の日人像」 『文部省の研究』著者、辻田真佐憲氏インタビュー 情報 #教育勅語#新刊インタビュー#文部省 明治維新後の「独立独歩で生きてゆく個人」、戦時期の「天皇に奉仕する臣民」、戦後の「平和と民主主義の担い手」、そして高度成長時代の「熱心に働く企業戦士」と、文部省は時代の要請にこたえて「理想の人間像」を打ち出してきた。その軌跡には近代日の姿がそのまま映し出されている。『文部省の研究』の著者、辻田真佐憲氏に150年の日教育歴史と、いまなぜ「理想の日人像」なのかを伺った。(聞き手・構成 / 芹沢一也) ――日は『文部省の研究』を出版された辻田先生に、文部省と「理想の日人像」というテーマをめぐってお話を伺います。最初に書のコンセプトを教えていただけますか。 「国家百年の大計」である教育は、経済的な数字だけでは成り立

    教育はイデオロギーでなく「運用」で語れ――安全装置としての「理想の日本人像」/『文部省の研究』著者、辻田真佐憲氏インタビュー - SYNODOS
  • 戦後民主主義とその敗北――いまだ終わらない「戦後」と向き合うために/『丸山眞男の敗北』著者、伊東祐吏氏インタビュー - SYNODOS

    戦後民主主義とその敗北――いまだ終わらない「戦後」と向き合うために 『丸山眞男の敗北』著者、伊東祐吏氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#「新しいリベラル」を構想するために 戦後日を代表する政治学者として名を轟かせ、今も多くの人に読み継がれている丸山眞男。しかし、丸山と戦後民主主義は、すでに高度経済成長に敗北していた。はたして、いま丸山を読む意味はあるのか? 『丸山眞男の敗北』の著者、伊東祐吏氏にお話を伺った。(聞き手・構成 / 芹沢一也) ――日は『丸山眞男の敗北』という刺激的なタイトルのを出された伊東祐吏氏にお話をお伺いします。丸山といえば論者によってさまざまな像があります。伊東先生にとって丸山とはどのような人物ですか? 丸山は内部に狂気を抱えた人だと思います。 一般的には、理知的で厳格な学者というイメージですよね。戦後民主主義を代表する知識人ですから。もちろん、丸山が当は

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  • 最高裁判事の国民審査では何を判断すべきなのか?/木村草太 - SYNODOS

    衆議院議員選挙と同時に、最高裁判所の国民審査が行われます。 「最高裁判所の国民審査」といわれても、なんだか難しくてつまらなそうです。この原稿も、タイトルだけでやめてしまう方も多いのではないかと危惧しております。この行までたどり着いていただいたことをうれしく思います。 ということで、最高裁判所の国民審査についてお話しましょう。 日国憲法には、次のような規定があります。 【日国憲法第79条2項】 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後十年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。 つまり、国民の意思によって、最高裁判所判事がやめさせられる可能性がある、ということです。日国内では、任命された公務員を国民投票や住民投票で解職する制度はほとんどありません。他に解職制度があるのは、住民によって直接選

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  • 若者の社会運動とサブカルチャー――運動と日常を行き来する若者たちの葛藤/富永京子×鈴木謙介×阿部真大 - SYNODOS

    2011年以降、全国的に盛り上がりを見せた若者による社会運動。彼らの語りから運動の特質を浮き彫りにした、富永京子氏による新刊『社会運動と若者――日常と出来事を往還する政治』(ナカニシヤ出版)。この出版を記念して、社会学者・鈴木謙介氏(関西学院大学准教授)と阿部真大氏(甲南大学准教授)とのトークショーが開催された。若者の社会運動とその文化は現代社会において何を示唆しているのか。2017年6月19日、ジュンク堂書店大阪店にて行われたイベント「若者の社会運動とサブカルチャー」より抄録。(構成/増田穂・大谷佳名) 2000年代以降、社会運動はどう変わったのか 鈴木 日は『社会運動と若者:日常と出来事を往還する政治』(ナカニシヤ出版)の出版記念トークイベントとして、著者で立命館大学准教授の富永京子さん、甲南大学准教授の阿部真大さんと私、鈴木謙介で座談を進めて参ります。便宜的に私の方で司会を務めた

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  • インターネットと部落差別の現実――ネット上に晒される部落(出身者)/川口泰司 - SYNODOS

    今、インターネット(以下、ネット)上ではネット版「部落地名総鑑」が公開され、被差別部落(以下、部落、同和地区)に対するデマや偏見、差別的情報が圧倒的な量で発信され、氾濫しています。そして「無知・無理解」な人ほど、そうした偏見を内面化し、差別的情報を拡散する傾向にあります。 ネット上での差別が放置される事で、現実社会での差別がエスカレートしています。現実社会では許されない差別行為でも、ネット上では無規制であり「ここまでやっても許される」と、差別に対するハードルが下がり、ついには「底が抜けた」現実が起きています。 「ネット空間」と「現実社会」のボーダーラインが曖昧になり、現実社会でもヘイトスピーチのように、公然と差別扇動が繰り返されています。 部落差別解消推進法(2016年12月施行)では、「情報化の進展に伴って部落差別に関する状況の変化が生じている」とし、ネット上の差別の深刻化を指摘していま

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  • 未完のマックス・ウェーバーを引き受ける人生――レジェンド・インタビュー01/折原浩氏インタビュー(聞き手/橋本努) - SYNODOS

    いまや伝説的ともいえる著名な知識人たちから、わたしたちは何を学び、何を継承していくことができるだろうか。シノドス国際社会動向研究所がお届けするシリーズ「レジェンド・インタビュー」では、知の分野でさまざまな貢献をなしてきた方々に、インタビューをつうじて人生を振り返っていただく。第1回目は社会学者の折原浩氏に話を伺った。 折原浩 1935年、東京生まれ。1958年、東京大学文学部社会学科卒業、同大学院社会学研究科に学ぶ。1964年、助手。翌年より教養学部専任講師。1966年、教養学部助教授となるが、1968年から69年の東大紛争において、当局と教授会・教員の姿勢を問い、とりわけ文学部学生の処分問題を事件の発端に遡って究明し、事実誤認を突き止めた。 1969年1月18-19日の機動隊再導入に反対して、授業再開を拒否し、「造反教官」と呼ばれた。学生の主張する「大学解体」を「大学解放」と読み替え、「

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