「ムスリムの反ユダヤ主義」?――ヨーロッパ移民・難民問題のもう一つの側面 武井彩佳 ドイツ現代史、ホロコースト研究 国際 #ムスリム#反ユダヤ 今年の春、ベルリンで頭にユダヤ教徒のキッパを被った男性が、シリア難民とされる若い男にベルトで殴打される映像がインターネットで拡散した(注1)。被害男性はイスラエル人だが、ユダヤ教徒ではなく、ドイツでキッパを被ると危ないという意見が本当かどうか試してみて実際に被害に遭ったという。 (注1)http://www.spiegel.de/video/berlin-israeli-mit-guertel-verpruegelt-video-99016995.html 同じ頃、2017年の反ユダヤ主義的な刑事事件数が公表され、総数1504件、つまりドイツでは一日に約4件の割合で反ユダヤ主義的な犯罪が発生したという統計が出ていた(注2)。この事件はすでに移民・難