農林水産省は23日、輸入した小麦の政府売り渡し価格を4月から5銘柄平均で18%上げると決め、民主党の農林水産部門会議に報告した。2008年4月に30%引き上げて以来の大幅な価格引き上げとなる。 政府売り渡し価格は年2~3回改定される。昨年10月の改定で価格は1%上昇し、4万7860円となっていたが、4月からは5万6710円となる。 昨年9月~今月に米国産と豪州産の小麦を買い付けた平均価格をもとに算定したもので、昨夏からのロシアの干ばつや昨年末のオーストラリアの洪水などによる世界的な小麦価格の高騰が反映された。 食品メーカーや外食チェーンが原料価格を転嫁することで、パンや麺類、菓子などの値上げにつながる可能性がある。 農水省は新興国の経済発展などで、小麦やコメなど穀物の需給(ひっぱく)が続き、2020年には物価変動の影響を入れない名目で穀物価格は3割上がるとみている。