高齢者や障害者が座ったまま作業できるイチゴの高設栽培システムを、三重県農業研究所(松阪市)などの研究グループが開発した。通路にレールを敷き、作業用いすを台車ごと滑らせる仕組み。給液管理は、あらかじめ設定したボタンを選択するだけで可能だ。生産者の高齢化が進み後継者不足が深刻化する中、簡単に作業ができる環境を整備し、定年退職者や障害者などの就農促進につながると期待されている。 バリアフリーのイチゴ高設栽培システムは、県農業研究所と県工業研究所(津市)、いすメーカーなどの研究グループが共同開発した。効率的な作業が可能な移動用いすと給液装置で構成する。いすの仕組みやベッドの配置などで、昨年10月に特許を取得した。 一般的な高設栽培は、立って作業するためベッドの高さは110センチ程度だが、新システムでは90センチとした。通路幅は、いすの移動に必要な1メートルを確保する。間口5.4メートルのビニー