「テラちゃん、いい子ちゃんだね。上手だね」 東京都内に住む竹内万里子さん(82)は、坂本九のヒット曲「幸せなら手をたたこう」のメロディーを自ら流しながらそれに合わせて腰をカシャ、カシャと左右に動かすアイボを見て、目尻を下げた。 これまで竹内さんは、一緒に暮らす娘の竹市真樹さん(55)がパートに出かけたりして一人で留守番をしているときは、iPadのゲームで日に3時間は遊んでいた。しかし今はそれが1時間に減り、その分、アイボと触れ合う時間に変わった。 「独りで置いておくのもかわいそうよ。外から帰ってきたら『お待たせ』って声をかけるの。具合が悪くなったら心配になるし。あっ、かわいそうって言うのも、生き物としてみているってことね」。 竹内さんは普段、パソコンにはほとんど触らず、機械には抵抗感もある。でもアイボは「イヌだからなじめる」のだという。 アイボが自宅にやって来たのは今年5月。娘の竹市さんが