慶應MCCにご登壇いただいている先生に、影響を受けた・大切にしている一冊をお伺いします。講師プロフィールとはちょっと違った角度から先生方をご紹介します。 写真は当時から何度も読んできたオリジナル版(左)と、その後の新訳版(右)です。ともに(上・下刊の2部からなる書籍です)。新訳のほうが読みやすいのですが、オリジナル版に愛着があり、読み返す場合には、オリジナル版を読んでしまうので、すでにボロボロになってしまっています。 2.その本には、いつ、どのように出会いましたか? 出会いは、40歳くらいのころ、社会人大学院の修士課程で学んでいた時でした。当時は、人事部門で人事業務に携わりつつ、平日の夜や週末に大学院で学んでいました。その頃の関心は、人事実務に学びを直接いかすこと。しかし、授業で本書を紹介されたときに、学びとは、実務に直接いかすことだけではないのだと実感しました。 授業では、本書は難解だと
At some point in my career, I shifted from being the guy designing the thing, to the guy building the stage for others to do the work. Founding Stanford’s Hasso Plattner Institute of Design, known to most as the d.school, was a big part of that. The goal of the d.school has always been to bring diverse disciplines together to solve problems, and to help people gain creative confidence. But we’ve n
Online ISSN : 2187-5278 Print ISSN : 0387-3161 ISSN-L : 0387-3161
心理学の概論の授業などで必ずといってよいほど紹介される有名な本。 中身は心理学であり、認知科学であり、また、教育学でもあり、社会学でもある。 学習を知識の獲得と定義するのではなく、特定のタイプの社会的共同参加という状況の中においてそれをとらえた点で、レイヴとウェンガーの考え方は新しい(といっても、もう15年も前の本だ)。 業務を遂行する技能はゆるやかな条件のもとで実際に仕事の課程に従事することによって獲得されていく、という概念を「正統的周辺参加」(Legitimate Peripheral Participation: LPP)という。 著者が、学習はこの「正統的周辺参加」の問題であるという考えに至った契機は、徒弟制についての研究であったという。 ことさら教え込まれたり、試験を受けたりすることなく、徒弟がいずれ技能に長けた仕立て屋の親方になれるのはどういうわけか、という問いが発端となった。
北海学園大学の池田真歩先生に『首都の議会』をいただきました。どうもありがとうございます。私自身は特に明治初期の政治史について詳らかに知っているわけではありませんので、決して良い読み手であるとは思えませんが、本書を非常に興味深く読むことができました。歴史の研究でありつつ、どのように議会を作るか、代表を選ぶか、その中で政党というものにどのような位置づけが与えられるか、といったテーマについて普遍的な問題提起がなされているように感じるところです。 あくまでも類推的な理解でしかありませんが、1章で扱われている、初期の産業関係の人々が集まった会議所は、ちょっと前のイギリスのReginal Development Agencyの設立を思わせるものがあり、公的代表性を欠くとして批判されて実質を失っていくようなところにも同様の困難があるように感じます。おそらく本書のメインである4・5章では、区という地域レベ
企業が求める〈主体性〉とは何か:教育と労働をつなぐ〈主体性〉言説の分析 作者:武藤 浩子東信堂Amazon 本書の問題意識は冒頭の「はしがき」で次のように述べられている。 しかしながら、社会には〈主体性〉を求める言説が満ち溢れている。〈主体性〉という言葉の意味は曖昧にされたまま、学校教育においては〈主体性〉の育成がうたわれ、企業は〈主体性〉のある人材の輩出を大学等に求めている。そんなことを考えていたときに、企業は学生の〈主体性〉不足を指摘するが、学生自身は〈主体性〉不足を感じていないという企業と学生の認識ギャップを示す経済産業省の調査結果を見た。そして、大学教育などで育成しようとする〈主体性〉と、企業が求める〈主体性〉には違いがあるのではないか、という基本的な疑問が生まれた。企業と大学の間で、〈主体性〉の意味のズレを内包したまま、産業界から大学教育等に対して〈主体性〉の育成要求がなされてい
2020年3月から4月にかけて、これまでに使ったことがない新しいオンライン・ツールを使ってみよう!オンライン環境で集まろう!イベントを企画・開催してみよう! そう言った動きが、私の周りでも活発に起こりました。 つい最近、20年の5月連休明けでも、京都では大学のサークル・クラブのオリエンテーションを開催した事例や、まちづくり事業におけるオンラインでの相談会実施等の話も聞きます。そして、この一連のオンライン化の流れは今後も全国で緩やかに継続していくのかもしれません。 社会に大きく変化が生まれつつあるとき…それが、経済的な原因であれ、技術的な原因であれ、天災・人災が原因であれ、新しい環境においては、それに対して対応すべく、有志による新規プロジェクトの結成やグループの形成が図られます。 また、今回の新型コロナウイルスのように、わかりやすい顕著な変化や必要性がなかったとしても、人は多かれ少なかれ、既
カール・マルクス『一八世紀の秘密外交史 ロシア専制の起源』(白水社)をお送りいただきました。 https://www.hakusuisha.co.jp/book/b621504.html と、書くと、えっ?と思われる方も多いかも知れません。 いや、正真正銘の、あのひげのおじさんのマルクスの本です。ただし、浩瀚なマルクス・エンゲルス全集には収録されていない稀覯論文です。 なぜ収録されていないか?それは、レーニンや、とりわけスターリンの逆鱗に触れるような中身だからです。 タタールの軛がもたらしたものは? なぜロシアは膨張したのか? クリミア戦争下構想され、数奇な運命を辿ったマルクスによるロシア通史。 「ロシアが欲しいのは水である」 資本主義の理論的解明に生涯を捧げたマルクス。彼はこの『資本論』に結実する探究の傍ら、一八五〇年代、資本の文明化作用を阻むアジア的社会の研究から、東洋的専制を発見する
2022年11月22日掲載 人事パーソン要チェック! 新刊ホンネ書評 - [242]『しなやかで強い組織のつくりかた ―21世紀のマネジメント・イノベーション』 長年にわたり日本企業を観察してきた著者は、日本の組織には、個人のパッションの炎を消してしまう「もったいない」力が働いているといいます。この状況を変えていかなければ「望ましい未来」はないとし、目指すはしなやかで強い人間集団「レジリエント・カンパニー」であり、その実現のためには「マネジメント・イノベーション」が必要であるとしています。 そして、著者はそのために「3つのトレード・オン」の実現が求められるとします。"トレード・オン"とは、トレード・オフ(二律背反)の反対の意を表現するために著者が生み出した造語で、善の循環や相乗効果、シナジーに似た概念であるとのことです。 その1つ目は、企業の発展と、健全な社会および自然環境の間のトレード・
Online ISSN : 2189-678X Print ISSN : 1343-1102 ISSN-L : 1343-1102
低所得層家族の生活と教育戦略 ――収縮する日本型大衆社会の周縁に生きる (生活困難層の教育社会学 大規模公営団地継続調査 1巻) 作者:山田 哲也,松田 洋介,小澤 浩明,樋口 くみ子,前馬 優策,長谷川 裕明石書店Amazon この書籍では第1期調査(1989~1992年)、第2期調査(2007~2011年)、第3期調査(2014~2016年)に行われた質問紙調査、インタビュー調査を必要に応じて時期間で比較する分析が扱われている。私(二宮)が学部生のときの講義で習ったのは第1期調査のことである。第1期では住民間の「うわさ」によって地域に分断がもたらされるという事実が極めて印象的であった。当時の講義では調査者による子どものサブカルチャーへの親しみに対する解釈が納得できなかったという記憶を引きずりながら、再度団地の生活について勉強する(私自身はかつての公団団地(高層集合住宅)住人である)。
Online ISSN : 2187-5278 Print ISSN : 0387-3161 ISSN-L : 0387-3161
Online ISSN : 2187-5278 Print ISSN : 0387-3161 ISSN-L : 0387-3161
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く