ガバナンス強化のため、「Oneみずほ」を実現させた佐藤康博頭取だったが……〔PHOTO〕gettyimages エリート然とした銀行員が冷徹に融資を打ち切ったり、継続を決めたりする。ドラマ『半沢直樹』でも描かれたシーンである。だが、現実は甘くない。その銀行員たちが心底怯え、ときにルールを逸脱してまで融資をする相手、それが暴力団だ。 密告者がいる みずほ銀行のスキャンダルを暴いたのは、金融庁による検査だった。 大蔵省時代に金融検査部に在籍し、メガバンクの検査に着手した経験を持つ元財務官僚の髙橋洋一氏はこう語る。 「当局が不正をつかむ発端は、ほとんどがタレコミによるものです。検査中に入ってくるタレコミも多く、金融庁に封書で送られてくるのが一般的。封書に差出人名はまずありませんが、その大半は検査中の金融機関内部からのものです。反社会的勢力への融資など、外部からはなかなかうかがい知れないもの。今回
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