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ブックマーク / burningday.livedoor.blog (24)

  • 物理にとりつかれ、政治に飲み込まれてゆく ――『オッペンハイマー』(アメリカ、2023年) : Days

    見:イオンシネマ高松東 今年のラインナップならばアカデミー賞を複数部門獲るだろうとは思っていたが、思った以上に圧勝だったなと感じた。確かにこの物量(3時間近い!)と、このテーマならアメリカのみならず世界中の人に訴求力があるのは確かだろう。少なくともロシアが始めた戦争、そしてイスラエルが始めた「侵略」に関心がある、もしくは何らかの形で参加している国家の人間なら、核という「機能」とは無縁ではいられない。実験を除くと1945年以降使われていないにも関わらず、国際政治に長い間影響力を及ぼしている核。その「機能」こそが、オッペンハイマーの予期していた未来だったのかもしれない。 上記に添付したNHKのインタビューを見ても分かるが、ノーランはオッペンハイマーの伝記映画としてこれを制作しているのだと思う。最近ハヤカワノンフィクション文庫から刊行された原作についてもそうで、原作はそもそも両親のなれそめから始

    物理にとりつかれ、政治に飲み込まれてゆく ――『オッペンハイマー』(アメリカ、2023年) : Days
    sakstyle
    sakstyle 2024/04/30
    「核開発も核実験も、そして核使用についても特定の個人(政治家を含む)の責に帰するような問題ではなくて、集合的責任として考えねばならないことを改めて突き付けている」
  • 背負いながら生きる物語の、はじまりのおわり ――『ゴールデンカムイ』(2024年) : Days

    見:イオンシネマ綾川 原作未読でアニメも見ておらず、アイヌの話と言う意外の情報はほとんどないままなんとなく見たが、思った以上に面白かったのが素直な感想。漫画原作ものの実写化はいつだって容易ではないと思うが、相当お金かけてますねそしてVFXガチガチにやってますよね、という映画であり、2時間以上あるにもかかわらず体感40分くらいで終わってしまう楽しさもあった。少なくとも映画館で見てこそ、と言う映画だろう。 日露戦争での203高地の戦いを生き延びた杉元は「不死身の杉元」の異名を持っていた。筋肉ムキムキの身体にはあちこちに深い傷跡があり、顔にもきれいな赤い線が入っているほどである。その杉元が北海道の山中でアシリパという少女と出会う。ある事件で家族を亡くした彼女は失意のまま白いオオカミを相棒にして狩猟生活を行っていたが、金塊を探しているという杉元の意志に共鳴し、一緒に旅を始めることになる。 背負うも

    背負いながら生きる物語の、はじまりのおわり ――『ゴールデンカムイ』(2024年) : Days
    sakstyle
    sakstyle 2024/02/09
    「原作未読でアニメも見ておらず」←ちょっと意外。「杉元やアシリパといった主要キャラクターの感情や背景の演出は原作未履修の自分にもよく分かるように描写されて」
  • ヴァージニア・ウルフをたくさん積んでいた2023年のこと : Days

    ●はじめに @genneiくんの企画した積読 Advent Calendar 2023のトリを務めさせていただきます、バーニングです。エンジニア界隈の人たちが多く参加されているようですが私はエンジニアではなく、昔からばかり読んでいるソーシャルワーカーです。ソーシャルワーカーって何ですか、を説明すると長くなってしまうので端折りますが、ご了承ください。幻影くんとは学生時代からの友人で、コロナ以降は全然会えてないですが気づけば長い付き合いですね。今回も面白い企画をありがとうございます。 さて、前述したようにをたくさん読みます。冊数ベースだとここしばらくは年間200-300のレンジに収まる程度には読んでいます。金額ベースだと50万はくだらないと思いますが、怖いので細かく数えてはいません、いや明らかに巨大な支出なのでちゃんと数えろやと言うべきですが。また、これだけ膨大な量のをどうやって読んでい

    ヴァージニア・ウルフをたくさん積んでいた2023年のこと : Days
    sakstyle
    sakstyle 2023/12/25
    戦時の作家であり、戦間期の作家でもあり、そしてパンデミックを経験した作家であるということ
  • それぞれの「語らない理由」と、美津未の「語る理由」 ――『スキップとローファー』(2023年) : Days

    「スキロー」という略称でインターネットでは話題になっていたアニメを少し遅れて一気見。「石川県の端っこ」出身である主人公の岩倉美津未は地元では「神童」であり、地元を含む地方の過疎化問題を解決したい→総務省の官僚になりたい→そのためにT大法学部に行きたい、という高い目標を掲げて東京の進学校に越境入学する。MtFトランスジェンダーである叔母の家に居候しながら生活をスタートした美津未の高校デビューから文化祭までを描いたのが今回のアニメだった。 率直に言って、面白いと言えば面白いけれど、キャラクターの掘り下げが甘いまま(特にメインの二人)終わってしまったのが物足りない部分だった。原作もの(かつ未完結)の難しいところとして、原作は続いているのにアニメはひとまずアニメとして区切りをつける必要がある、というのが難しいところで、過去作品ならば『俺ガイル』の2期なんかがそうだなと思う。逆に以前ブログで紹介し

    それぞれの「語らない理由」と、美津未の「語る理由」 ――『スキップとローファー』(2023年) : Days
    sakstyle
    sakstyle 2023/12/03
    「黒沢ともよは非常にハマり役で(...)今回の美津未のように裏表のなく、東京のこともほとんど何も知らないという真っ白で透明なキャラクターもハマるんだなというのは面白い発見」
  • 「語らない」と「分からない」から始まるコミュニケーションの行く末 ――『アンダーカレント』(2023年) : Days

    見:イオンシネマ綾川 少し前に見た『CLOSE』も思い返せばひどく純文学的な映画、つまりストーリーによるカタルシスよりも人間を描くことにとにかく注力した映画だと感じていたが、作『アンダーカレント』も『CLOSE』とは全然アプローチは違うものの、似たような感慨を持った。「分からない」という言葉が何度も出てくる映画は、その時点でひどく純文学的ではないか、と。 真木よう子演じる主人公のかなえが銭湯の跡継ぎ、という時点で日映画的だなと感じる。銭湯が舞台であるということは、東京を舞台にしながらもある特定のエリアの人間関係しか描かれない。もっと言うと、かなえの行動範囲もさほど広いものではないことが予想される。銭湯のある住居が自宅兼職場になっているため、積極的に行動をするのは飼い犬の散歩くらいだが、そのルートも映画に登場する風景を見ているとほとんど毎回同じである。それくらい、日常に根差しており、物語

    「語らない」と「分からない」から始まるコミュニケーションの行く末 ――『アンダーカレント』(2023年) : Days
    sakstyle
    sakstyle 2023/11/08
    感想読んでて原作の絵思い出した
  • 黄前久美子たちにとってのオフシーズンとその過ごし方の模索 ――『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(2023年) : Days

    見:イオンシネマ綾川 原作を読んでいたことすらこの映画を見るまで完全に忘れていたが、シリーズ前作が2019年4月公開だったことを考えると、この4年間のブランクにはいろいろな思いがある。2019年7月のあの悲しすぎる事件を経た後にキャラクターデザインを務めた池田晶子の名前を見ると、やはり複雑な思いにさせられる。それでも生き残ったスタッフたちが目指したことは、それはちゃんと続きを作ること、そしてシリーズを完結させる(=終わらせる)こと、だったのだろうと思う。そのために、この57分の特別編が必要だったのだ。 2年生の秋、新体制になり、部長になった黄前久美子の逡巡からこの中編映画は始まってゆく。高坂麗奈や塚秀一といった「勝手知ったる」メンバーを幹部に据えた体制の中で、しかし自分自身も当然ながらプレイヤーでいなければならない。いかにしてこの両立を図ればよいのか? は一つ彼女に与えられた課題である(

    黄前久美子たちにとってのオフシーズンとその過ごし方の模索 ――『特別編 響け!ユーフォニアム〜アンサンブルコンテスト〜』(2023年) : Days
  • 極私的な教養小説として提示されるアニメーションが問う「善き生」の構想 ――『君たちはどう生きるか』(2023年) : Days

    見:イオンシネマ高松東 ◆時代背景と純文学的なアプローチ まずこの映画を語る際に重要なのは時代背景なんだろうな、というのは1937年刊行の同名書籍が原作(というよりあくまで原案)の時点で察するべきだった。文字通り、(日戦争に突入してゆく最中の)その時代、そしてその少し後の時代を書いた映画だからである。もちろん、このアプローチはほとんど同じ時期の1936年に発表された堀辰雄の短編小説「風立ちぬ」を原作とした、10年前の夏休み映画『風立ちぬ』のアプローチと似ている。 しかしながらあくまで表面的には、である。実質的に2023年の夏休み映画として公開されたこの映画は、『風立ちぬ』とは全く異なるアプローチをしている映画だった、というのが素朴な感想である。なぜならば今回のこの映画は児童向けの小説を原案としながら、後期高齢者になった宮崎駿が「極私的」に翻案した教養小説(ビルドゥングス・ロマン)、つま

    極私的な教養小説として提示されるアニメーションが問う「善き生」の構想 ――『君たちはどう生きるか』(2023年) : Days
  • 未来はきっと、輝いているから ――『アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAY』(2023年) : Days

    見:イオンシネマ綾川 間違いなく言えるのは、これはボーナストラックなんだなということだ。何より映画1の分量として、70分というのは短い。短いうえに、70分の中に学園時代最後のライブと、その後の彼女たちの姿を描いているので、どう考えても詰め込みすぎである。つまりこれは、何らかの続きのストーリーを描くものではなくて、「続きっぽいものを描くことで、とりあえずこのシリーズにケリをつける」ということなんだろうなということだ。(わざわざ10thって数字を打ってる時点で見る前からそう思っていたけどね!!) 70分でこの映画が試みていたことは主に二つ。一つはいちご世代の卒業をちゃんと描くこと。もう一つは、いちご世代の卒業後のリアリティを観客に見せることである。『アイカツ!』の編が放映開始から約10年、編の放映終了(あかり世代含む)からもすでに長い年月が経っており、そのため明確に当時のファンに届けるも

    未来はきっと、輝いているから ――『アイカツ! 10th STORY 未来へのSTARWAY』(2023年) : Days
  • 2022年の読書記録 : Days

    2022年に読んだは230冊でした。ちなみに2021年は311冊だったらしい(おかしい) 前半は国際政治関係と公認心理師の試験関連のを読みまくり、後半ようやく積読を崩せたけど小説をあまり読めなかったなと思うので来年はもっとフィクションを摂取したい。国内外問わず。 以下、一覧です。 2022年の読書メーター 読んだの数:230 読んだページ数:66520 ナイス数:528 マンスフィールド・パーク (ちくま文庫) 読了日:01月01日 著者:ジェイン・オースティン ジョン・ロールズ-社会正義の探究者 (中公新書 2674)の感想 期待どおりというか期待以上の優れた解説書になっている。新書一冊で正義論(再説含む)〜政治的リベラリズム〜万民の法の論点を理解しつつ、ロールズの提示した議論の当世的意義を振り返るのと同時に、現代的意義についても具体的に言及している点が素晴らしい。特に齋藤純一によ

    2022年の読書記録 : Days
    sakstyle
    sakstyle 2023/01/30
    「2022年に読んだ本は230冊でした。ちなみに2021年は311冊だったらしい」な、なんでそんなに読めるのか……。今まで生きてて年間に100冊も読めたことがない。最近はもっと少ない。
  • 中央銀行と金融政策を理解するためのブックガイド5選 : Days

    ツイッターで親しくしている人向けに作成してたのですが、よく考えればブログに挙げてもいいのでは、と思ったのでアップします。 このブックガイドを作成したのは2020年ですが、その時は新型コロナによる経済的な波及効果(もちろん悪い意味で)に対する金融政策や財政政策(orマクロ経済政策)を考えるためでした。他方で今年はウクライナ戦争による物価の変動と為替の変動についてのニュースや議論が日常的になっています。 ただ、2年前がそうであったようにそもそも金融政策を理解している人はあまり多くないのでは(そもそも金融政策と財政政策は相互に関連はするものの全然違うこととか)と感じたので、改めていったん金融政策入門という形で復習しておくのは重要かなと思い、ブックガイドをアップしました。 入手しやすいようにということであえて新書を並べています。1を除く4冊はすべてkindleで入手可能。学習のためにはある程度分厚

    中央銀行と金融政策を理解するためのブックガイド5選 : Days
    sakstyle
    sakstyle 2022/09/18
    上記の内容は2020年2月に作成した(2021年8月に一部改訂/2022年9月に原文の趣旨を維持しつつ二訂)/4は読んだことある。この分野も時々は勉強しとかないとと思いつつ……
  • 所得の再分配はどのように正当化されうるのか、あるいは階層と社会関係資本との相関について : Days

    まーちゃ@machaxcha_00なんで低所得者子育て家庭は優遇されて、こども3人産んで納税たくさんして #所得制限 の我が家は何も手当がないのか。所得上げるまでに勉強したり時間やお金や寝る時間削ったりそれぞれの努力があっての今の年収なのに。その努力の結果が子育… https://t.co/GxLaZegGvD 2022/04/21 16:48:52 まーちゃ@machaxcha_00@kishida230 国内の子育て支援にもっと目を向けて下さい。子育て世帯の声を聞いて下さい。将来の日を支える子どもたちには日の未来への投資だと思って所得制限なしの一律支援を求めます。そして子育て支援と貧困支援は切り離して下… https://t.co/bw4sUWRbco 2022/04/22 21:25:49 この前の続きのような形になるが、いわゆる中室発言をきっかけにして所得制限や所得の再分配を正

    所得の再分配はどのように正当化されうるのか、あるいは階層と社会関係資本との相関について : Days
    sakstyle
    sakstyle 2022/04/28
    「子育て支援に関する現状の政策がベストとは言えない」が「税制(累進課税)そのものの批判は所得階層に分断を生むだけで」「雇用慣行や教育システムなどを批判したほうが良いし建設的なはずだ、と言う立場」
  • プーチンの「方法」を今振り返る意味 ――『Putin's way』(アメリカ、2015年) : Days

    「経済の停滞とウクライナ問題で緊迫するロシア。世界の目は、大統領ウラジーミル・プーチンに注がれています」 「追い詰められた時のプーチンは危険です」 こうしたナレーションでこのドキュメンタリーは始まる。もちろん2022年ではなく、もっと前(2015年)に作られたドキュメンタリーだが、2014年のクリミア編入の後というのは一つポイントだ。その時から(足掛け8年を経て)現在進行形で発生しているロシアウクライナ戦争を理解する一助にはなるだろう。(あくまで一助である。プーチンを理解することは重要だが、それがこの戦争のすべてではないからだ) かつてのKGB(現FSB)のスパイとしてキャリアをスタートさせた後、16年活動したのちにサンクトペテルブルグの市職員になり、副市長を務めるようになる。ここが、政治家としてのプーチンの活動のスタートであり、この時点から黒い政治に積極的に手を染めて、結果的にその黒い

    プーチンの「方法」を今振り返る意味 ――『Putin's way』(アメリカ、2015年) : Days
  • 「幼保無償化による再分配の失敗」という統計的ファクトの解釈と、今後必要とされる議論を整理する : Days

    ■今回の論点 9日から10日かけて、子育て世帯のタイムラインが非常に荒ぶっており確認したところ、教育経済学者による中室牧子の上記の発言が発端となっているようだった(厳密には、彼女の発言が一部切り取られた時事通信の記事に対する反響が火種)。ツイッターで建設的な議論を行うことは年々難しくなっていると改めて感じるが、関心のある方への情報提供としてこのエントリーを書いた。分量は長いが、随所に引用やレコメンドの情報も含んでいるため、そちらも併せてご覧いただければ嬉しい。 さて、上記のyoutube動画の14分〜29分あたりが件の中室発言である。中室によるnoteに発言と資料がそのまま掲載されているので、動画ではなくnoteを閲覧してもよい。今回の火種になったのは以下の部分である。(なお太字はバーニングによるもの) 今の日においても、再分配政策があまりうまく機能していない可能性があります。3ページを

    「幼保無償化による再分配の失敗」という統計的ファクトの解釈と、今後必要とされる議論を整理する : Days
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    sakstyle 2022/03/30
    参考文献も色々紹介されている/ここで挙げられている論点は、1.保育の質と量について残された課題 2.子育て支援は保育園だけでなくその後の教育費も含めた政策が必要の2点
  • 黄前久美子の飛躍と彼女のアイデンティティ ――『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜』(2019年) : Days

    見:大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ(二回目) 原作である『響け!ユーフォニアム 波乱の第二楽章』前後編では、今回の映画部分と『リズと青い鳥』にあたる部分から構成されていたわけだが、下巻に相当する『リズ』をユーフォシリーズの直系ではなく別の作品として映画化し、そして満を持して「劇場最新作」として今回の映画が公開された。制作段階では同時公開も狙っていたようだが、実際には約一年のブランクを空けたことで丁寧に作られている印象を受ける。なにより、ポストリズ青としての映画製作になっているな、と思われる描写、演出が随所にあった。原作通りの流れにするとリズ青のほうが後に公開されていても自然ではあるが、あえて逆にすることですぐれた原作を京アニ流に大胆に再構成、アレンジした、というのが大きなポイントではないかと思う。 原作については二年前の秋に発売当時に読み、その評価はmediumにアップ

    黄前久美子の飛躍と彼女のアイデンティティ ――『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜誓いのフィナーレ〜』(2019年) : Days
  • クーデリアとアトラと、そしてラフタとジュリエッタのために #g_tekketsu : Days

    『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』がついに最終回を迎えた。ギリギリの中で追ってくる敵を追い払いつつ、ビスケット以外は目立った死を出さなかった一期は最終話において地球で無事目的を果たす、という分かりやすいカタルシスに包まれていた。だが二期に入ってみるとどうだ。地球と火星のディスコミュニケーションによって無駄な戦争に参加させられたり、身内から裏切りが出たり、あるいはどこまでそもそも身内と呼べるのかというほど組織が大きくなってしまったり。急速に大きくなりすぎた組織は瓦解するのも早いが、二期の場合大きくなりすぎた鉄華団は、戦う相手もまた大きすぎる、という現状に向き合うしかなくなっていく。その最たる敵が、ラスタル率いるアリアンロッド艦隊だった、と見るべきだろう。 当に鉄華団が滅ぶしかなかったかは分からない。シノがあのときラスタルを仕留めていれば展開は違っただろう。逆に言うとあのときにラスタル

    クーデリアとアトラと、そしてラフタとジュリエッタのために #g_tekketsu : Days
  • 高坂麗奈へとたどりつくまでの奇跡的な軌跡 ――『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜』(2016年) : Days

    監督:石原立也 脚:花田十輝 出演:黒沢ともよ(黄前久美子役)、朝井彩加(加藤葉月役)、豊田萌絵(川島緑輝役)、安済知佳(高坂麗奈役) 他 制作:京都アニメーション 見:イオンシネマ綾川 公開初日からネット上の評判は芳しく、自分のよく知っている人たちの何人かが初日に足を運んでいたためこれはいかなくてはと思い、綾川のイオンシネマまで足を伸ばして鑑賞してきた。この前は宇多津のイオンシネマで『同級生』を見ることができたし、高松市内では難しくても少し足を伸ばせば評判のアニメ映画を直に見られる環境が香川にもあるということは悪くない。かつての、たとえば『時をかける少女』を見に行ったのが夏ではなくもはや秋だった10年前を考えると、少し隔世の感もある。 ということはひとまずさておき、テレビシリーズを劇場版に再構成したこの映画はクライマックスからうまく引き算した形の完成度となっていた。ということは後半部分

    高坂麗奈へとたどりつくまでの奇跡的な軌跡 ――『劇場版 響け!ユーフォニアム 〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜』(2016年) : Days
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    sakstyle 2016/05/08
  • 若き音楽家志望たちの青春群像 ――宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社、2016年) : Days

    宮内を読んだのは『ヨハネスブルグの恋人たち』が最初で、デビュー作の『盤上の敵』はいまだ読めていないが、大森望編の『NOVA』シリーズで短編を読んだりしつつ作にたどりついた。宮内悠介という作家のイメージはまだそんなに固まっていなくて、『恋人たち』では紛争地で落下する初音ミクのようなロボットたちのなれの果てを美しい文章で彩っていた記憶があるが、今回も音楽という意味では共通しているところがある。そしてストレートではない、少しひねくれたような美しさもここにある。青春とはそういうこと、かもしれない。 グレッグ音楽学院。入学するのは極めて困難な難関音楽学院として知られるこの学校の入学試験を控える日人、脩。アメリカ西海岸において困難な挑戦を試みる理由の一つは父親の存在で、脩の父親である俊一はグレッグ音楽楽員の入試を突破し、そしてのちに失踪する。事実上の母子家庭で育った脩は母親の愛情にも反発を覚え、不

    若き音楽家志望たちの青春群像 ――宮内悠介『アメリカ最後の実験』(新潮社、2016年) : Days
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    sakstyle 2016/04/24
    君嘘と比較して、視点の頻繁な切り替えに着目した書評
  • 1995年から2011年、そして2015年へと ――『神戸在住』(日本、2015年) : Days

    監督:白羽弥仁 脚:安田真奈 主演:藤泉(辰木桂役) 阪神大震災から20年という題材と木村紺のマンガ『神戸在住』という組み合わせは確かに悪くないと、企画を知ったときに思った。サンテレビで映像化されたドラマを元に劇場版が作られ、それがDVDになっていたのでTSUTAYAでレンタルして見た。NHKとサンテレビという違いはあるが、こちらも阪神大震災を題材にしている『その街のこども』と映像化の流れが少し通じ合うような気もする。ただ、20年後の神戸をいまを生きる女子大生たちの感覚で描く今回の『神戸在住』は大きく違う。そのことによって原作とも大きな差異が生じているが、登場するキャラクターたちは共通していて、20年経ったいまだからこそ作ることのできる『神戸在住』という作品を新たに産み出したと見るべきだろう。 大きな違い。それは、彼女たち(18歳や19歳の女子大生)は震災後の世代だということ。彼女たち

  • 2013年11月のフリーミュージック : Days

    続けてやるかどうかは分からないが、最近ニコニコでエレクトロニカタグをまわって曲を探すのが面白いな、と思っていたのでまとめてみたくなっった。最初はエレクトロニカに限定しようかなと思ったがそもそもエレクトロニカというジャンル自体が境界の曖昧なものだし、ネットで無料に聞けるものを中心にまとめつつ紹介しよう、ということで上記のようなエントリータイトルにした。 ただ今回は当初の予定通り、エレクトロニカやテクノなどの電子音楽とその周辺、という感じになった。オリジナル曲だけでなくリミックスもいくつかセレクトしています。 このエントリーではニコニコやyoutube、あるいはsoundcloudなど、ネットで無料で聴けるものをもとにして、曲や動画を貼りつけながら軽くコメントしていく感じで書いていきたいと思います。(ある人のブログからアイデアをちょっと拝借している) というわけで、11月に投稿されたものから。

    2013年11月のフリーミュージック : Days
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    sakstyle 2013/12/05
    NNIやsoundcloudからバーニングさんがチョイスしたエレクトロニカとかテクノとかアニソンremixとか。ざっとさわりだけ聞いてどれもよさそうなのであとでちゃんと聞く
  • 2013年春アニメOP&ED10選(後編) : Days

    さて、つづき行ってみよう。前回はこちら 6.茅原実里「この世界は僕らを待っていた」 『翠星のガルガンティア』OP。 このクールはほんとうに優れた曲が多いと思うのだけど、これもその筆頭に入れていいと思う。アニメの雰囲気とマッチしているからかもしれないが、いい意味で新しさを感じない王道路線の曲のつけかたと歌詞(畑亜貴)になっている。 歌っているみのりんは年度が変わる直前に事務所を退社してフリー(正確には個人事務所設立)になる、という経緯があったので結果的に転身後第一作、という形にもなった。その意味では彼女自身のこれからに照らし合わせてもふさわしい曲になっているかもしれない。 タイトルを歌詞からとるところや(ちょうどサビの終わりである)「僕ら」「世界」「夢」「舞い上がれ」などなど、そうそうこれこれという王道感あふれるフレーズを詰め込んでくるのは畑の才能の一つ。 7.Choucho「空とキミのメッ

    2013年春アニメOP&ED10選(後編) : Days
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    sakstyle 2013/05/29
    (続き)アーティスト情報とか勉強になります。/マジェプリの曲もいいよ