見:イオンシネマ綾川 少し前に見た『CLOSE』も思い返せばひどく純文学的な映画、つまりストーリーによるカタルシスよりも人間を描くことにとにかく注力した映画だと感じていたが、本作『アンダーカレント』も『CLOSE』とは全然アプローチは違うものの、似たような感慨を持った。「分からない」という言葉が何度も出てくる映画は、その時点でひどく純文学的ではないか、と。 真木よう子演じる主人公のかなえが銭湯の跡継ぎ、という時点で日本映画的だなと感じる。銭湯が舞台であるということは、東京を舞台にしながらもある特定のエリアの人間関係しか描かれない。もっと言うと、かなえの行動範囲もさほど広いものではないことが予想される。銭湯のある住居が自宅兼職場になっているため、積極的に行動をするのは飼い犬の散歩くらいだが、そのルートも映画に登場する風景を見ているとほとんど毎回同じである。それくらい、日常に根差しており、物語
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