エッカート・フェルスター『哲学の25年 体系的な再構成』三重野清顕訳、佐々木雄大、池松辰男、岡崎秀二郎、岩田健佑訳、法政大学出版局、2021年、1–28ページ。 哲学の25年: 体系的な再構成 (叢書・ウニベルシタス 1131) 作者:エッカート・フェルスター 法政大学出版局 Amazon 何気なく読みはじめたら一気にプロローグまで読み終えてしまった。読ませる。巨大な推理小説のように、謎が謎を呼び、読者を引きずっていく感覚がある。 18世紀の末にカントは言った。自分の『純粋理性批判』以前に哲学はなかったと。さらに、はじまったばかりの哲学は18世紀のうちに完成してしまうかもしれないと予言した。『純粋理性批判』の初版が出たのは1781年なので、この計算だと哲学ははじまってたった19年くらいで完成してしまうことになる。カントの死後まもなく、1806年にヘーゲルは言った*1。ここで哲学の歴史は完結
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