4月から入る保育所を探す「保活」が今年も過熱している。首都圏では保育所の新規オープンが進むが、入所希望者も増大して狭き門が続く。問題は「入所難」だけではない。最近では、せっかく激戦を勝ち抜いて入れたものの、卒園を待たずにやむなく「自主退園」するケースも珍しくない。混迷の度を深める保活戦線の最新事情について、読売新聞調査研究本部の榊原智子主任研究員が報告する。 急ごしらえの保育所新設ラッシュ 何十か所も保育所を見学して申し込んだのに、どこにも入所できなかった――。保育所利用者の情報交換や勉強会などを行っている「保育園を考える親の会」(東京、会員約400人)には、都内で足を棒にして保活に励んでも希望をかなえられず、涙をのんだ親たちの悲鳴が届く。 母親たちの間で「0歳でないと入所できない」が常識になり、1年間の育児休暇取得を希望していた人も、入所枠を確保するために育休期間を短縮するケースが目立つ