沖縄戦の集団自決問題の真相 今年の夏、沖縄戦での集団自決に関する記述をめぐる教科書検定の問題が、 大きな議論を呼び起こしました。 このとき、文科省が「軍の強制」の記述を削除する根拠として挙げたのが、 『沖縄戦と民衆』という1冊の本。 その著者である林博史さんにお話を伺いました。 はやし・ひろふみ 1955年生まれ。関東学院大学経済学部教授。平和研究・戦争研究・現代史を専門とする。『沖縄戦と民衆』(大月書店)で第30回伊波普猷賞受賞。その他の著書に『裁かれた戦争犯罪-イギリスの対日戦犯裁判』(岩波書店)、『BC級戦犯裁判』(岩波新書)、『シンガポール華僑粛清』(高文研)などがある。 今年3月、文部科学省による教科書検定において、来年度から使用される高校日本史教科書の中の「沖縄戦での“集団自決”には日本軍の強制があった」という記述に、「実態を誤解させる恐れがある」として修正を求める検定意見が付