激動の時代に入る「隠者の国」の模様 前編に引き続き、イザベラ・バード著「朝鮮紀行」より、興味深い李氏朝鮮末期の社会や人々の様子を引用いたします。 前編では、町の様子や農村の人の様子、王族たちの様子などを中心にまとめました。優柔不断な国王、両班や官吏による無慈悲な取り立てなどにより、国と社会の成長がいかに阻害されているかが描かれています。 この朝鮮政府を近代化させるべく、日本が強引に武力でもって改革を実行させようとします。バード滞在中の1893年〜1897年はまさに激動の時代。旧体制の安眠の時代から、無理やり叩き起こされ弱肉強食の混沌の時代に投げ込まれ、動揺と混乱の中で右往左往する朝鮮の国を、バードは克明に描いています。 今回は東学党の乱から始まる朝鮮の動乱を中心に、社会の変容をまとめていきます。 前編はこちらからどうぞ。 reki.hatenablog.com 1. 甲午農民戦争の勃発 朝