韓国の教育熱の高さは世界的に有名だが、それは「超格差社会」の韓国において、学歴こそが激烈な競争社会を生き抜く力となるからだ。そのため韓国の親たちは、自分の子供を過酷な教育地獄に追い込んでいく。小学生から始まる受験戦争の驚くべき実態を、ソウル在住のジャーナリスト・金敬哲氏の近刊『韓国 行き過ぎた資本主義』から紹介する。 大学受験の準備は小5から! ソウル市大峙洞(テチドン)に住む主婦のパク・ミンジュさんは、1年前の冬、同市麻浦区からここへ引っ越してきた。それは、大峙洞が有名学習塾の中心地であり、さらに名門高校が集まる「江南8学群」に属しているからだ。 そのミンジュさんの息子、ヒョンジュン君は現在大峙洞C小学校の5年生だ。ヒョンジュン君が通う小学校の前の道路は、下校時間が近づくと自動車で埋め尽くされる。学校から出てくる子供を拾って塾に連れていくため、母親たちの運転する車が待機しているのだ。ミン