2018年3月末での廃止が決まった「コミュニティバス『こみち』」。市民の足を支えている=富山県高岡市で、古川宗撮影 富山県第2の都市・高岡市が財政難にあえいでいる。北陸新幹線の開業に合わせた投資がかさんだ影響で、来年度の当初予算編成で約40億円の財源不足が判明。市は事業見直しや公共施設の閉鎖で対処する方針で、市民生活にも影響が出始めた。岐路に立つ市内を取材した。【古川宗】 ◆交通弱者を直撃 「通院している病院を変えたよ。不便だけれどどうしようもない」。同市江尻の無職の女性(82)があきれた様子で乗っているのは、今月末での廃止が決まった「コミュニティバス『こみち』」。市が運行負担金を支出し、加越能バス(高岡市)に委託して、2001年度から運行。病院や観光地を通るため、高齢者や観光客を中心に利用する。 しかし、近年は1便当たりの乗客数は10人を割り込んだ。市は今年1月、運行経費約4700万円を