「あたしの話を聞け」貧困女子ルポライターが呼び出され、出会った少女は圧倒的な怒りに満ちていた。興味をひかれ、2年越しという長期間に及ぶ聞き取り取材を続ける中で聞こえた“彼女の言葉”。 “貧困女子”ルポライターが呼び出された少女に「不幸少女のカタログ」と罵られた日より続く ◆◆◆ 単純な善意や常識的な理屈は邪魔でしかなかった 「売春による稼ぎで居所不定の生活を送る未成年の少女」は、本来保護とか支援とか、児童福祉の対象なのだが、そうした文脈で自分たちが被害者扱いされることに、19歳の里奈は激しい抵抗感を示した。 「金で買われてんじゃなくて、売ってやってるんだけど?」 それはやはり第一に、そうして自力で生きる少女らが、たとえ自らの性を切り売りし搾取されようとも、たとえ時には暴力の被害など恐ろしい経験をすることになっても、「自分の力」で生きていることを誇りに思い、その場で得られる自由とパワーの中に