2023年4月15日 夜、ドイツは脱原発を完了した。2011年、当時のメルケル政権は、東日本大震災の 東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、2022年末までの 段階的な原発停止を決定し、原子力法(AtG)を改正した。脱原発完了時期は、ウクライナ侵攻の影響で、およそ3ヶ月月半の延長となったが、今回は再延長とならず、最後の3基の原発が予定通り停止された。この脱原発実現に対して、ドイツは国内の原発を止めて、フランスの原発の電気を輸入するという論調がある。ここで、今一度、ドイツと欧州各国の電力輸出入の状況を見直してみたい。 1. ドイツは 欧州の電力純輸出国 である それでは、ドイツと欧州各国間の電力取引の状況をみてみよう。ドイツの連邦ネットワーク庁と連邦カルテル庁が2023年 2月に公表した年次モニタリングレポートを参照する。2008年から2021年までの 電力取引総量は、年によって異な