本作は1967年度の日本映画配給収入でベストテン10位の大ヒットを記録[46]、東映としても久しぶりの時代劇の大ヒットとなった[47]。1978年の『柳生一族の陰謀』公開の際、東映は〈『丹下左膳 飛燕居合斬り』(1966年、萬屋錦之介主演・五社英雄監督)以来12年ぶりの本格時代劇〉と宣伝したが、実際はこの間、この『大奥㊙物語』を始め、多くのポルノ時代劇を製作している[48]。 これを受け、岡田は『㊙物語』のシリーズ化を指示するが、翁長孝雄プロデューサーは、これら添え物が成人指定映画になっては、メインの任侠映画の観客が見に来なくなると危惧した[49]。 当時の東映のメインは任侠映画だった。続く『続大奥㊙物語』『尼寺㊙物語』では、翁長が「エロ」要素を極力抑えたためとも不入りに終わる[29][50]。企画部長・渡邊達人は、「一般映画に戻した方がいいんじゃないでしょうか」と岡田に進言するが、岡田は