もちろん、日本は世界でもエネルギー効率のよい国の一つです。二酸化炭素の排出内訳を部門別に見てみると、EUとアメリカと比べて民生と運輸がとても小さいことがわかります。要するに、日本の高いエネルギー効率は産業部門ではなく、民生と運輸に支えられているのです。一方で、特別作業部会(AWG)に提出された日本の意見を読むと、まるで産業部門の排出が少ないように思わされてしまいます。 日本はAWGの意見提出にあるように、1970年代の石油ショック以降1990年まで確かにエネルギー効率を改善させました。しかし、日本が意見提出にうっかり付け忘れた90年以降のデータを政府の資料に基づいてグラフに付け足してみましょう。グラフで明らかなように、製造業全体の排出は90年以降は改善しておらず、セメントにおいては悪化しています。 日本の温暖化対策の中心である京都議定書目標達成計画には、効果的な対策が盛り込まれておらず、自