「法律論的に穴があるために巨大な訴訟リスクが発生しているのは大問題」と語る木村氏 賛成派は「日本に必要な法律だ」と主張し、反対派は「憲法違反の戦争法案だ」と主張する。 今国会で216時間以上もの審議を行なった安全保障関連法案は9月19日未明、参議院本会議で与党の自民、公明両党、野党の元気、次世代、改革3党などの賛成多数で可決・成立した。 しかし、法案成立後に共同通信が発表した世論調査では79%が「審議不十分」と回答。国民に法案への理解が広がったとは言い難い。 それでは、そもそも「憲法論」としてはどうなのか? 若き憲法学者・木村草太(きむら・そうた)氏が憲法学の観点から安保法制を批判したのが『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』だ。 ―木村さんは今国会での安保法制の審議をどうご覧になりましたか。 木村 多くの方が感じていたと思いますが、政府側の真剣さが感じられませんでした。まず、「憲法違反である」